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2020.09.21 (公開 2019.04.12) 海水魚図鑑

シロボシアカモエビ(ホワイトソックス)の飼育方法~クリーナーだが強い魚との混泳は注意!

シロボシアカモエビ(俗称ホワイトソックス)は、赤い体に白色斑があり、脚の先が白いのが特徴のエビです。アカシマシラヒゲエビ(俗称スカンクシュリンプ)同様、大きな魚の皮膚や口腔内に寄生する寄生虫を捕食しますが、アカシマシラヒゲエビほどはクリーニングしてくれませんので注意が必要です。

基本的には丈夫で飼育しやすいエビですが、購入して水槽に入れたときショックで気絶してしまうこともあるため、水合わせはじっくり時間をかけてあげましょう。

標準和名 シロボシアカモエビ
学名 Lysmata debelius Bruce, 1983
分類 十脚目(エビ目)・モエビ科・Lysmata
全長 約7cm
飼育難易度 ★☆☆☆☆
おすすめの餌 メガバイトレッド
温度 23~25度
水槽 45cm以上
混泳 大型の魚には捕食されるおそれも
サンゴ飼育 可。ただし弱ったサンゴをむしるおそれもある

シロボシアカモエビってどんなエビ?

▲シロボシアカモエビ

シロボシアカモエビは、十脚(エビ)目・モエビ科のエビで、スカンクシュリンプことアカシマシラヒゲエビや、ペパーミントシュリンプと同じ属のエビです。「シロボシアカモエビ」という和名で販売されることはあまりなく、歩脚の先端が白いことから「ホワイトソックス」という名前で呼ばれることが多い種類です。

赤と白の模様からサンタクロースを連想させるためか「サンタエビ」というニックネームもあり、冬季のクリスマスシーズンには水族館で特別に展示されることもあります。英語圏では「ホワイトソックス」と呼ばれることはあまりなく、「ファイアシュリンプ」とか、「スカーレットレッドシュリンプ」などと呼ばれているようです。ですから英語圏で「ホワイトソックス」っていっても通じないので注意が必要です。

クリーナーとしての能力

▲クリーニングさせるにはアカシマシラヒゲエビを入れた方がよい

シロボシアカモエビは大型魚の体表や口腔内に付着する寄生虫を捕食する「クリーナー」として知られていますが、近縁種であるアカシマシラヒゲエビほど積極的なクリーニングはしないようです。ですから大型魚に襲われてしまうこともたまにあるので注意が必要です。詳細は後述します。

シロボシアカモエビ飼育に適した環境

水槽

水槽は小さくても45cm、できれば60cmほどのものを用意したいものです。これ以上小型の水槽ですと水質が変化しやすく初心者には管理が難しいからです。またエビは水質の急変に弱いので大きめの水槽が有利です。

水質とろ過システム

一般的な海水魚飼育システムがあれば、本種の飼育も可能です。ろ過槽については外掛けろ過槽はパワーが弱いため、外部ろ過槽と組み合わせるようにします。60cm水槽での飼育であれば上部ろ過槽がおすすめです。外部ろ過槽は密閉式で酸欠になるリスクもあり、外部ろ過槽だけで飼育するのはおすすめしません。

オーバーフロー水槽にして、サンゴ飼育のためのベルリンシステムなどでの飼育も可能です。しかしシロボシアカモエビは弱ったサンゴの共肉をちぎる悪癖をもつ個体もいるため注意が必要です。もちろんベルリンシステムなどで飼育する場合は、水を汚すエビや魚は少なくしなければなりません。

水温

水温はカクレクマノミなどの熱帯性海水魚同様25℃前後で飼育するとよいでしょう。ただし、水温が頻繁に上がったり下がったりするのはよくありません。ヒーターとクーラーを使用して常に水温を一定に保ちましょう。

隠れ家

必ず隠れ家を入れてあげましょう。隠れ家を入れてあげるとエビが落ち着きます。またシロボシアカモエビは同属のアカシマシラヒゲエビほどクリーニングしませんので、脱皮直後など、大きめの魚に襲われることもあります。そのためエビが隠れるための隠れ家が必要になります。

シロボシアカモエビに適した餌と添加剤

おすすめの餌

▲魚用の配合飼料をよく食べる

海産エビ用の配合飼料もありますが、基本的には海水魚用の餌で問題ありません。ただ水槽の底や岩陰にいることが多いため、フレークフードよりは「メガバイト」などの粒状の沈むタイプのものがおすすめです。

また、チョウチョウウオの餌付けを行っている水槽で飼育するのもおすすめです。これはチョウチョウウオが食べ残したアサリをエビに掃除してもらうためです。ただしチョウチョウウオが小さかったりするとエビに食べられてしまうおそれがあり、逆にエビが脱皮直後だとチョウチョウウオにつつかれてしまうおそれがあるので要注意です。

添加剤

▲ヨウ素はエビ飼育に重要

サンゴ水槽だけでなく、エビ水槽にも添加剤を入れてあげたいものです。ヨウ素やカルシウム、ストロンチウムなどは添加したいものですが、カルシウムと相関関係にあるマグネシウムも入れたいものです。これらが入ったブライトウェルの「リキッドリーフ」などの商品がおすすめです。

ヨウ素も極めて重要な元素で、これが不足すると脱皮不全を起こして死んでしまうこともあるようです。そのため定期的な添加が重要といえます。

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シロボシアカモエビをお迎えする

購入時の注意

▲パッキングされたシロボシアカモエビ

分布域は沖縄県から、インド-西太平洋の熱帯域におよびます。しかしながら日本ではまれな種で、多くは海外、とくにスリランカなどから入ってきます。

脚が1本欠落している程度であれば次の脱皮で生えてきますので心配ないのですが、脚が多数なくなっているような個体は購入しないほうがよいでしょう。

水あわせは慎重に

モエビ科やサラサエビ科のエビは初心者でも飼育することができますが、水質の急変に弱いので、水槽に入れるときなどは注意が必要です。水合わせを慎重に行うことで、ショックで気絶してしまうなんていう事態を防ぐことができるでしょう。水合わせの方法は以下のリンクをご参照ください。

ほかの生物との関係

ほかのエビとの混泳

▲ほかのエビとの飼育も可能

同じシロボシアカモエビ同士、もしくは同じ仲間のアカシマシラヒゲエビやペパーミントシュリンプ、あるいはアシナガモエビやサラサエビの類とであれば、一緒に飼育することができます。大型のイセエビやオトヒメエビなどの性格のきついエビと一緒に飼育するのは避けましょう。

魚との混泳

▲大きなベラの仲間との混泳は厳禁

クリーナーではありますが、先ほども述べたようにアカシマシラヒゲエビほど積極的な掃除をしません(魚の体表や口腔内の寄生虫を食べてもらうのにエビを飼育したいというのであればアカシマシラヒゲエビを購入した方がよいでしょう)。そのため大きく強い魚には捕食されてしまうことがあります。エビを捕食する強い魚、といえば多くの方は大型のベラやゴンベを思い浮かべますが、我が家ではクマノミに襲われてしまったことさえあります。とくに脱皮直後は襲われやすいので注意が必要です。

サンゴ・無脊椎動物との相性

ペパーミントシュリンプほどではないのですが、弱ったサンゴの共肉をちぎって食べてしまうこともありますのでできるだけサンゴを弱らせないように注意します。特にLPSやマメスナギンチャクなどは注意が必要です。ほかの生物としてはマガキガイやキイロダカラガイ、小型のカニやヤドカリなどとであれば一緒に飼育できます。

シロボシアカモエビ飼育まとめ

  • ホワイトソックスという名前で流通することが多い
  • クリーナーとしての能力はアカシマシラヒゲエビの方が高い
  • 45cm以上の水槽で飼育したい
  • 一般的な海水魚飼育システムで飼育できる
  • 上部ろ過を使用するか、外掛けろ過槽と外部ろ過槽の併用がおすすめ
  • 水温は25℃前後で安定していることが重要
  • ライブロックやサンゴ岩などで隠れ家をつくる
  • 海水魚用の配合飼料をよく食べる
  • カルシウムやストロンチウム、マグネシウム、ヨウ素などを添加したい
  • ヨウ素はエビ飼育にとっては重要
  • 脚があまり欠損していないものを選びたい
  • 水質の急変に弱いので水合わせは慎重に
  • サラサエビやアカシマシラヒゲエビ、同種同士の混泳も可能
  • 強い魚との混泳は注意
  • 弱ったサンゴの共肉を食べることもある
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