アカシマシラヒゲエビ(スカンクシュリンプ)の飼育方法~魚・サンゴとの相性や脱皮時の注意など

 

淡水のエビでは「レッドビーシュリンプ」と呼ばれる小さな紅白カラーのエビが人気がありますが、この「スカンクシュリンプ」ことアカシマシラヒゲエビはマリンアクアリウムで人気のある紅白カラーのエビです。ただ色がきれいなだけではなく、魚につく寄生虫を食べてくれます。今回はこのアカシマシラヒゲエビをうまく飼育する方法をご紹介します。最初の水合わせにさえ気を付ければ丈夫で飼育し、脱皮を重ねてすぐ大きくなるエビです。

標準和名 アカシマシラヒゲエビ
学名 Lysmata amboinensis  de Man, 1888
英名 Scarlet cleaner shrimp, Skunk cleaner shrimp, Common cleaner shrimpなど
分類 節足動物門・十脚目・抱卵亜目・コエビ下目・モエビ科・Lysmata属
全長 12cm(ひげを含む)
飼育難易度 ★☆☆☆☆
おすすめの餌 メガバイトレッドなど
温度 25℃前後
水槽 60cm~
混泳 クリーナーだがハタなどに捕食されることもたまにあり
サンゴとの飼育 サンゴが弱るとたまに共肉をむしってしまうことも

アカシマシラヒゲエビって、どんなエビ?

▲シロボシアカモエビやペパーミントシュリンプと同属

十脚目・抱卵亜目・コエビ下目・モエビ科のエビで、本種と同様にクリーナーシュリンプである「ホワイトソックス」ことシロボシアカモエビや、カーリーを捕食するペパーミントシュリンプと同じ属のエビです。

同じモエビ科のエビには藻類を捕食するアシナガモエビや、イソギンチャクと共生するイソギンチャクモエビなども含まれていますが、キャメルシュリンプとも呼ばれるスザクサラサエビやサラサエビはサラサエビ科というまた別科のエビです。

分布域は広く、インド-太平洋の熱帯域に広く分布しています。日本においては房総半島以南の磯で見ることができます。大西洋やカリブ海には本種は分布していませんが、よく似たLysmata grabhamiというエビが大西洋の魚のクリーニングを担当します。古い本で「カリブ海にも分布する」との記述がありますが、これはこの種類をさすのでしょう。なお、この2種は尾の部分を見れば簡単に見分けがつきます。「ファインディング・ニモ」に登場するジャックは、アカシマシラヒゲエビをモチーフにしているはずですが、尾の模様はアカシマシラヒゲエビとはやや異なっています。しかしLysmata grabhamiよりはアカシマシラヒゲエビのほうに近いです。

アカシマシラヒゲエビに適した環境

水槽

通常はアカシマシラヒゲエビだけでなく、他の海水魚と飼育することが多いでしょうから、その魚に合った水槽が必要となります。例えばカクレクマノミと飼育するのであれば45cm以上、ナンヨウハギと飼育するのであれば90cm以上の水槽で飼育するのが現実的でしょう。

アカシマシラヒゲエビのみを飼育するのであれば、小型の個体であれば35cmくらいの水槽でも飼育できないわけではありません。ですが水槽内でも成長することを考えますと、少なくとも45cm水槽が欲しいところです。

水質とろ過システム

アカシマシラヒゲエビは水質の悪化には徐々にであれば耐えられますが綺麗な水で飼育するのが重要です。上部ろ過槽、または上部ろ過槽と外部ろ過槽の併用などが望ましいといえます。もちろん他に魚やサンゴを飼育するのであれば、その魚にあったろ過装置を使用しなければなりません。そうなると上部ろ過槽をメインとしたろ過システムか、オーバーフロー水槽の選択肢ということになります。

サンゴ水槽での飼育も可能ですが状態のよいSPS・ソフトコーラルとの飼育が向いています。オーバーフロー水槽を用いたベルリンシステムが最適でしょう。しかし、そうなると沢山エビや魚は入れられません。

水温

アカシマシラヒゲエビの飼育においては、22~26℃くらいの水温で飼育するとよいでしょう。一緒に飼育する魚がカクレクマノミであれば25℃、やや深場にすむヤッコの仲間やハナダイ、あるいは西大西洋や東大西洋の魚といっしょに飼育するのであれば23℃くらいがベストといえます。もちろん温度が安定していることが重要です。

アカシマシラヒゲエビの餌と添加剤

おすすめの餌

アカシマシラヒゲエビの餌は魚を一緒に飼育しているのであれば、魚用の餌を与えるだけで問題ありません。魚の食べ残しなどのよく食べてくれます。

ただし餌の種類は水に浮かぶフレークフードよりはメガバイトなどの沈降する粒餌の方が食べやすいといえます。基本的にまともな状態で販売され、水槽に入れるときに水合わせをきちんとしていれば、メガバイトに限らず海水魚の粒餌ならなんでもよく食べてくれるはずです。従来は海水用エビ専用のフードがエムエムシー企画レッドシー事業部から出ていましたが現在は販売されていないようです。

クリーニング

アカシマシラヒゲエビは魚の体表や口内、鰓(えら)などにつく寄生虫を食べてくれます。水槽内でも積極的に掃除をしてくれるので、ハタの仲間も本種を食べることはあまりないようです(食べないとはいっていない)。

注意しておきたいのは、節足動物の仲間の寄生虫や、ハダムシ(ベネデニア類)などは食べてくれるのですが、白点病の原因となる生物を食べてはくれないということです。また、エビの仲間は白点病の治療に使う銅などの薬品に弱いのでエビを飼育している水槽では魚病薬を使用してはいけません。またそのような寄生虫だけでは生きていけないので、必ず餌をあげましょう。

添加剤

エビの仲間は脱皮して成長しますが、脱皮不全で死んでしまうこともあります。アカシマシラヒゲエビなど、エビの脱皮不全の原因のひとつはヨウ素の欠乏が原因ともいわれており、ヨウ素の添加は必須といえます。

ヨウ素は魚やサンゴにも必須の成分ですのでぜひ添加しましょう。このほか微量元素やビタミン類などを添加したいところです。またカルシウムやストロンチウム、マグネシウムも添加したいところです。

ヨウ素添加剤

微量元素添加剤

ビタミン添加剤

アカシマシラヒゲエビをお迎えする

アカシマシラヒゲエビは購入前に確認しておきたいことがあるため通販よりも観賞魚店に赴いて購入するのがおすすめです。1匹大体2000円以下と、安価な値段で購入することができます。入荷もコンスタントで、入手は難しくありません。

アカシマシラヒゲエビを購入する前に

脚が1~2本欠落しているのは問題ありませんが、ほとんどの脚が欠落してしまっているのは避けましょう。

また眼が欠落しているものも避けなければなりません。もちろん入荷してすぐの個体もやめたほうが無難といえます。お店の方にいつ入荷したのか聞いておくとよいでしょう。

アカシマシラヒゲエビを水槽に入れる前に

▲時間をかけて水合わせをしたい

アカシマシラヒゲエビに限らず、購入したばかりのエビを水槽にそのまま「ぽちゃ」と入れてはいけません。これはエビは水質の急変に弱く、気絶してしまうおそれもあるためです。必ず時間をかけて水合わせします。水合わせの方法については、以下の記事をご参照ください。

アカシマシラヒゲエビの混泳

アカシマシラヒゲエビと他の魚との混泳

アカシマシラヒゲエビとカクレクマノミなど熱帯性海水魚との混泳は問題ないことが多いです。ほかハナダイの仲間、スズメダイの仲間、ニザダイの仲間、アイゴの仲間などとであれば問題はありません。ベラの仲間はエビを食べてしまいますが、イトヒキベラやクジャクベラなどとの飼育はできます。ウツボやハタの仲間など大きい魚のクリーナーとしても知られますが、絶対に食べられないなんていうことはありません。ベラやゴンベなどもアカシマシラヒゲエビを食べてしまうことがあるので注意が必要です。

また、脱皮の直後などは非常に体が弱いため特に注意が必要です。こちらの記事もご覧ください。

アカシマシラヒゲエビとサンゴや他の無脊椎動物との混泳

▲アカシマシラヒゲエビとサンゴの飼育例

サンゴに対しては無害であることが多いのですが、弱ったサンゴの共肉をむしるようにして食べてしまうことがありますので、つねに水が綺麗な状態をキープしなければなりません。サンゴの種類としては、とくにハナガタサンゴなどのLPSは注意が必要です。マガキガイやシッタカなどの巻貝との飼育も可能ですが、弱った巻貝も食べてしまうこともあるので注意します。逆に脱皮直後のアカシマシラヒゲエビはまれにカニなどの甲殻類に襲われてしまうこともあります。

広めの水槽であれば、同種同士の複数飼育も可能です。本種に限らず、小型のエビの仲間は複数飼育が可能なものは多いのですが、オトヒメエビの仲間はペア以外の同じ種類では激しく争うので複数飼育は危険です。

アカシマシラヒゲエビの飼育まとめ

  • 魚の体表につく寄生虫を食べるクリーナー
  • ハダムシには効果があるが白点病の原因となる生物には効果なし
  • 45cm以上の水槽で飼育したい
  • 水温は22~26℃。同居する魚に合わせて調整
  • 粒状の餌を与えるのが望ましい
  • 脱皮不全を防ぐためヨウ素を添加
  • 脚のほとんどが欠落しているものは避ける。眼が欠けているものもダメ
  • 時間をかけて水合わせをする
  • 他魚に襲われにくいが脱皮直後は要注意
  • アカシマシラヒゲエビ同士は複数飼育も可能
  • サンゴとの飼育には注意が必要

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