アクリル水槽で海水魚飼育!ガラス水槽と比較したメリットとデメリット

海水魚を飼育するための水槽は、一般的に「ガラス水槽」と「アクリル水槽」に大きく分けられます。アクリル水槽はガラス水槽よりも高級なイメージがありますが、正しく使用すればどちらを選んでもカクレクマノミやスズメダイ、小型ヤッコを飼育すること自体には支障がありません。どちらを選んでもよいのですが、それぞれにはメリットとデメリットが存在します。今回はガラス水槽と比較したアクリル水槽のメリットとデメリット、アクリル水槽に入れにくい生物について解説します。

ガラス水槽のメリットとデメリットはこちらをご覧ください

アクリル水槽とは

アクリル水槽というのは、その名の通りアクリル板を使って作られた水槽です。アクリル素材のうち水槽に使用されるものは「キャスト材」とよばれるもので、押し出し材と比べると硬度が高く、「反り」が発生しにくいというメリットがありますが、小型水槽であればガラス水槽よりも明らかに高価になってしまいます。

生物を飼育する水槽には、一般的にガラスのものとアクリルのものがあります。必ずしも「アクリルでなければ飼育できない」生物は存在しません。飼育したい生物に合わせて選ぶようにしましょう。

アクリル水槽の種類

アクリル水槽は既存の水槽のほか、オーダーメイドで色々な形の水槽をつくることができます。一般的な四角い形状の水槽のほか、三角形の水槽、円柱状の水槽など、さまざまな形状のものをつくることができます。

水族館の水槽もアクリルで作られています。昔は水族館でもガラスを枠にはめこんだ水槽が使用されていましたが、最近の水族館の大型水槽はみなアクリル製です。溶剤を使用しアクリル板を溶かしてつなぐ、重合接着を行えば、巨大なアクリル水槽も作成することができるのです。

このほか、オーバーフロー水槽では魚を観賞する部分をガラス水槽にして、水溜めの場所(サンプ)をアクリル水槽にするという例もあります。アクリル水槽をサンプにする上でのメリットとしては、計量であり、加工がしやすいことがあげられます。

アクリル水槽のメリット

軽い

アクリル水槽はガラス水槽と比べると非常に軽量です。そのため搬入・移動も(ガラス水槽と比べれば)楽になります。写真はニッソーのクロスミニと呼ばれる非常に小型のアクリル水槽で、計量で水が入っていても容易に移動させることができます。

割れにくい

▲ガラス水槽(写真)と異なり割れにくい

アクリル水槽のメリットとしてはガラス水槽よりも割れにくいことがあげられます。子供がいて叩いたりしても割れてしまう可能性が低いため、水槽レンタル業などでも使われます。コケをとると傷つけやすい、というデメリットも業者がコケ取りをおこなうことにより解消されやすいです。

また地震大国日本では「割れにくい」というのも水槽選びの重要なポイントになりえます。アクリル水槽ではほとんどの水槽にフランジがついており、ある程度水が外にでにくくなります。

大型水槽ではガラスよりも安価

小型水槽ではアクリル水槽の方がガラス水槽よりも高価ではありますが、180cmのような巨大水槽になれば、アクリル水槽のほうが安価になります。

結露対策ができる

▲アクリル水槽で深海魚飼育も結露しらず?

最近、深海生物がブームとなっています。深海生物は基本的に12℃とか極めて低い水温で飼育されていることも多く、水族館の深海生物水槽は結露が見られないことが多いです。これは特別につくられたアクリル水槽だからです。ガラス水槽で低水温を好む魚を飼育するため、水温を低く設定していると、水槽のガラス面に結露が生じてきます。

一方アクリル水槽で結露を防ぐための加工がおこなわれた水槽では結露の発生も気になりません。しかしアクリル水槽でも薄すぎるものでは結露がでることもあるので、15mm以上の分厚いアクリル水槽で飼育するとよいでしょう。ただしこのような分厚いアクリル板を使用した水槽はどうしても高価になってしまいます。

もちろん深海魚のみならず、ダンゴウオやスナビクニンなど、冷水性魚類の飼育にも適しています。

アクリル水槽のデメリット

アクリル水槽にもデメリットがあります。アクリル水槽とガラス水槽、両方のメリットとデメリットを理解し、水槽の購入を検討するようにしましょう。

高価

アクリル水槽は小型水槽であればガラス水槽よりも高価になることが多いです。ある程度の大きさ以上であればアクリル水槽の方がガラス水槽に比べて安くなります。しかしそれは120cm以上の大型水槽の話であり、60cm位の水槽ではガラス水槽のほうがまだまだ安価です。

傷がつきやすい

 

▲細かい傷がつくのはアクリル水槽の宿命

アクリル水槽はガラス水槽とはことなり割れにくいのですが、細かい傷がついたりして、魚を観賞する上で支障がでることがあります。水槽の壁面にガラス水槽用のスクレイパーを使ったり、ライブロックと接触したりすると、あっという間に傷がついてしまいます。私たちが飼育する魚は「観賞」魚、つまり、観て楽しむ魚なので、水槽が傷だらけになればそれが難しくなってしまうということになります。

また、ウニの仲間はアクリル面をかじったり、その棘で水槽に傷をつけることもあるためアクリル水槽にはあまり向いていないところもあります。このほか海水魚ではないのですが、淡水魚のナマズの仲間であるプレコ(の、特に大きくなる種)は口で水槽の壁面に吸着し、歯でコケをそいでたべるようですが、アクリル水槽では水槽に傷をつけてしまうおそれがあるため、やはりアクリル水槽での飼育は向かないとされています。

専用のスクレイパーが必要

アクリル水槽はガラス水槽と比べて傷がつきやすく、ガラス水槽用のスクレイパーを使うとアクリル面を傷つけてしまうこともありますので、アクリル水槽にもガラス水槽にも使用できるスクレイパーを使う必要があります。フレックス スクレイパーなどが入手しやすく安価なのでおすすめといえるでしょう。

どちらが特別優れている、というわけではない

ここまでガラス水槽、アクリル水槽のメリットとデメリットを見てきましたが、どちらが特別優れている、というものではありません。例えば個人のアクアリストが「初心者でもかわいいカクレクマノミが飼える水槽が欲しい」という場合にはアクリルではなくガラス製60cm水槽をおすすめします。ガラス製を選ぶ理由は安価であり、水槽のガラス面を清掃しやすいためです。一方商業施設、老人ホームや幼稚園、福祉施設などでの海水魚飼育では割れにくいアクリル製水槽を使用し、給餌などをのぞいてプロにサポートしてもらうのが確実でしょう。

なお私はサンゴを飼育して、コケをガリガリ掃除したいのでメイン水槽にはAMP製ガラス水槽を使用しています。

アクリル水槽 ガラス水槽 まとめ

  • アクリル水槽とガラス水槽はどちらも一長一短
  • 計量かつ割れにくい。キャスト材を使用しているので硬度も高い
  • 加工も容易にできる。水族館の水槽はアクリル製が多い
  • ガラス製オーバーフロー水槽で飼育していてもサンプはアクリルということも多い
  • 分厚いアクリル板により結露も防ぐ。深海生物や冷水魚に最適
  • 小型水槽では高価、大型水槽であればガラス製より安価なことも
  • アクリル面に傷がつきやすい
  • 掃除には専用のスクレイパーが必要になる
  • ガラス水槽とアクリル水槽のメリットとデメリットを把握してから購入したい

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