2020.12.04 (公開 2020.09.07) 水槽・器具
海水魚ラボの水槽環境・器具類をご紹介します!
我が家ではサンゴ水槽や海水魚水槽など、海水水槽を何個か所有していますが、今回はTwitterなどでのリクエストもありまして、マリンアクアリウムを楽しむために使用している水槽や機材をご紹介していきます。
サンゴ水槽
飼育生体
【魚】
カクレクマノミ、イトヒキテンジクダイ、ハナゴンベ、ロイヤルグランマ、シマギンポ、クモギンポ、クロヤハズハゼ、ヒメユリハゼなど
【サンゴ】
カタトサカの仲間、ウミキノコ、バラウネタケ、被覆状シコロサンゴ、カビラタバサンゴ、オオタバサンゴ、アザミサンゴ、ウミバラ、マメスナギンチャク、キクメイシ、リュウキュウキッカサンゴ、シコロサンゴ、ウスコモンサンゴ、ハマサンゴ、オオバナサンゴ(ヒユサンゴ)、ヤッコアミメサンゴ、コンフサ、コモンサンゴ(種不明)、ヒメオオトゲキクメイシ、マルハナガタサンゴ
【その他】
マダラヨコバサミ、各種サンゴヤドカリ、ベニワモンヤドカリ、コケ取り貝各種、アワビ、クビレズタ(ウミブドウ)
水槽
水槽はアクアマリンプロの中古ガラス製水槽を使用しています。幅90cm、高さ45cmですが奥行き60cmあり、奥行き感が出せる水槽になっっています。枻出版社の「コーラルフィッシュ」を愛読されていたなら、編集長のタクタ氏の「水槽日記」に登場した水槽と同じサイズといえばわかりやすいでしょう。三重管の一般的なオーバーフロー水槽です。
amp(アクアマリンプロ)の水槽はブラックシリコン、クリアなガラス、エンブレムなど、非常によい水槽に見えます(実際によいガラス水槽です)が、これは残念ながら水槽上法にフランジがついておらず、やや塩だれが気になってしまうところがあり、そこは中古商品を購入して失敗したところです。またフタも載せることはできません。そのため上に専用のキャノピー(これも付属していた)を使用していますが、若干海水がはねて塩だれがでやすいところがあります。
水槽台(キャビネット)
水槽台も水槽を購入したときに付属してきたものです。購入したお店(コーラルタウン:茨城県土浦市)のオリジナル品です。魚水槽のキャビネットとの違いは観音開きとなっており、開閉がしやすいのが特徴です。配線はキャビネットの後方にある穴から延長コードをキャビネット内に入れて行っています。
サンプ
サンプは水槽に付属していたアクリル製のサンプを使用しています。サンプ内にはろ過槽がなく、サンプの上にウールマットを敷くウールボックスがあるのみです。これで大きなゴミをこしとります。左上には自動給水システム用のフロートがありますが、これは現在使用していません。奥に見えるプロテインスキマーは後述します。
ろ過槽
2020年8月現在、ろ過槽はウールマットしか使用していません。従来はバイオペレットを使用していましたが、ポンプの故障を機に、バイオペレットの使用はやめました。バイオペレットは量の調整が難しく、ペレットのカスがスキマーでは取り切れなかったのか、若干水槽にも入ってしまい、パイプなどを汚してしまいました。今後はバイオペレットは使用しないかもしれませんが、NO3;PO4-Xは使用してみたいと考えています。
循環ポンプ
レイシーのRMD-551を使用しています。マグネットポンプの一種で、流量が毎分60リットルにもなります。水中ポンプと異なり長期メンテナンスフリーでパワーがすごいのですが、水槽に穴をあけなければならないという大きなデメリットが存在します。そのため設置はお店の人にやってもらうのがベストといえます。我が家もコーラルタウンに設置をお願いしましたので水漏れも一切なくばっちりです。
クーラー
クーラーはゼンスイのZC-500を使用しています。
これでも十分冷えているのですが、水槽の温度が上がりやすい殺菌灯を使用してることを考えますと、もう1ランク上のものがよいかもしれません。そうだとすれば現行の商品群ではZC-700αがよいでしょう。また、冷やすことができる水量は周囲の気温にも左右されるため、室内クーラーも日中はかけています。またキャビネット内にクーラーを置くとキャビネット内部の温度があがってしまい冷却効率が下がるので、クーラーをキャビネットの外においておきます。作動音はうるさいですが、大事な魚を守るために水温をキープすることが重要なのです。
ヒーターとサーモスタット
ヒーターはサーモスタットと一体になっているよりも、分離式のものがおすすめです。そうすればヒーター部分が壊れてもヒーターの部分だけを交換すればいいので楽です。
筆者はコトブキ製のET-300 xを使用しています。同様にヒーターもコトブキ製のセーフティヒーターSP300wを使用していますが、ちょっと小さいかもしれません。冬が来る前にヒーターは二つ用意してもよいくらいです。安全規格を示すマークはSPマーク(統一標準規格SP)です。
プロテインスキマー
プロテインスキマーはH&S社のHS-850を使用しています。最近では音の問題や省エネの観点からDCポンプを使用したハーフコーンスキマーが人気ですが、DCポンプはどうしても耐久性に劣ってしまうという特徴があり、我が家では比較的安価で安定して稼働するACポンプ使用のHS-850を愛用しているのです。古い機種ですが意外とハイパワー、扱いやすく長いこと使用されています。HS-850は古い機種であってもハイパワーですので、90cmベルリン水槽では最適といえそうです。HS-850については以下でも解説しておりますので、ぜひご覧ください。
殺菌灯
殺菌灯はライフガードのQL-15を使用しています。チョウチョウウオなどがいるわけではないので、これでも十分かなと考えています。ヤッコなどを購入するのであれば、もう1ランクくらい上のものが必要になります。また、殺菌灯は点灯すると熱を出しますので、クーラーもより大きなものが必要になります。なお、この水槽では殺菌灯とクーラーは循環ポンプ(レイシーRMD-551)を使用して動かしています。
照明
照明はLED照明のケシル、およびT5蛍光灯(オプティマス・ハイブリッド、エムエムシー企画)をメインに使用しています。T5の蛍光灯は従来は入手が容易ではあったものの、最近は作っているメーカーも少なく、入手しにくくなってしまいました。照明は今なおT5を作っているDDのものです。DDも国内取扱店はエムエムシー企画ですので、オプティマスとの親和性も高いといえます。なお、オプティマス・ハイブリッドはその名の通りT5とLEDの両方がついていますが、LEDの部分が故障しています。
水流用ポンプ
使用しているレイシーのマグネットポンプは非常に強い水流を生み出しており、その強い水流が全体的にいきわたるため、ポンプはマグネットポンプからの吐出口からの水流と反対の方向への水流ができるように、ハイドールのコラリアナノを使用して水流をつくります。特に我が家の水槽ではコモンサンゴやシコロサンゴといった複雑な形状のサンゴが多いため、隙間にゴミがたまりやすく、複雑な流れが必要になります。
カルシウムリアクター
カルシウムリアクターはかたい骨格をもつサンゴ、とくにミドリイシにとっては非常に有効なものなのですが、我が家では現在装備していません。カルシウムやマグネシウム、KHなどは計測しながら添加剤を使用して供給、定期的な水かえでイオンバランスをリセットするという考えです。
そのほかの備品
水槽の水温計はテトラのデジタル式を使用、フタは水槽に付随していたアクリル製のフタを使用します。また水槽の直接の備品ではありませんが、水槽の下はジャッキにより補強がなされています。
メンテナンス
添加剤はアキュリの添加剤が切れたのでブライトウェルの添加剤に統一しています。もちろん、水かえも定期的に(週1回)行い、水質の維持につとめています。魚の餌はメガバイトシリーズをメインに配合飼料各種、たまにコペポーダやホワイトシュリンプを少量与えます。この少量というのが重要で、多すぎると水質の悪化につながってしまいます。
海水魚水槽(魚のみの水槽)
飼育生体
【魚】
クマノミのペア、ヤノリボンスズメダイのペア、イエローリップダムゼル、ブラックバンデッドデムワーゼル、ワニグチボラ、セグロマツカサ、ヒメアイゴ、カエルウオなど
【甲殻類】
ケブカガニ、ベニワモンヤドカリ、クリイロサンゴヤドカリ
水槽
水槽は90×45×48cmほどで、やや高さのあるオーバーフロー水槽を使用しています。
サンゴ水槽との違いは三重管ではなくコーナーカバー式を採用していることです。メリットは観賞の邪魔になることのある管を使用しないこと、大型魚がパイプにぶつかって壊すことがないなどが挙げられますが、水槽の遊泳スペースがどうしても限られてしまうというデメリットがあげます。海水魚でも大型ヤッコやハタなどは結構力が強いことがあるので、コーナーの存在はメリットといえます。背景はデフォルトのまま、黒い化粧板を使用しています。ただし後方に若干の傷がついてしまったので、内側からライブロックやサンゴ岩を若干高めに組み合わせ、隠してみようか、とも考えています。
水槽台(キャビネット)
コーラルタウンオリジナルの90cm水槽用キャビネットを使用しています。カバーをかぶせて器具が見えないようにすることができますが、夏はクーラーの冷却効率を上げるため、来客時でないときは開けっ放しにしています。これのよいところは木製で美しいところ、下部全体が「受け皿式」になっており、水を万が一こぼしても安心といえます。逆によくないところはしっかりはめにくいところがあるということです。
サンプとろ過槽
サンプはコトブキ製の60cm水槽(プログレ)を使用しています。従来から海水魚を飼育しているときに使っていたものです。これにホームセンターで購入したバスケットなどを使用してろ材を入れています。後述するプロテインスキマーなどやメインポンプのリオ、クーラー用の循環ポンプ、ヒーターもサンプ内に入れているので、かなりキツキツになってしまっています。
メイン循環ポンプ
メインで使用している循環ポンプはカミハタの「リオ」です。リオは水中ポンプであり、マグネットポンプよりもだいぶ静かですが、パワーはマグネットポンプよりも劣ります。定期的なメンテナンスは必須ですが、最近はやっているDCポンプに比べれば信頼性は高いといえます。ただ個人的にはこのポンプは小さいと感じており、近日中に別の水中ポンプに変えるかもしれません。
クーラー
ジェックスのクールウェイ110を使用しています。クールウェイは60cm水槽や90cm単体水槽で使っていましたが、90cmオーバーフロー水槽でもそこそこのパフォーマンスを見せてくれています。ただし、クーラーのパフォーマンスを上げるのに、キャビネットのフタをあけ、日中は周囲の冷却も行うために室内クーラーも使っています。
ヒーター
ニッソー製のサーモスタットを使用しています。これにヒーターを組み合わせて冬季でも22~23℃を確実にキープします。
クーラー用循環ポンプ
クーラー用のポンプはリオにつながないで単体で回しています。これはリオのパワーはどうしてもマグネットポンプに比べて劣ってしまうためです。そのため我が家ではクーラーの循環にマキシジェットを単体で使用しています。
プロテインスキマー
海水魚水槽でもプロテインスキマーを使用しています。サンゴ水槽と同じくHS-850 を使用しています。よく海水魚水槽ではプロテインスキマーは不要とか、使用しても意味がないという方も多いのですが、ろ過できなかった汚れを取り除いてくれたり、酸素を発生させてくれるなどメリットが多いです。また、NO3PO4‐Xなど、液体の炭素源を導入する場合は、魚メインの水槽であってもプロテインスキマーを使用する必要があります。
照明
照明は海水魚水槽でも蛍光灯を使用しています。LEDのようにギラギラした光ではなく、より優しい光を魚に提供してくれます。灯具の部分は水草レイアウトで有名なアクアデザインアマノ製の中古で、蛍光灯は白1本、青灯(スドーのカリビアンブルー)を1本使用しています。問題はLEDよりも熱を持ちやすいということです。そのためクーラーの大きさには余裕をもったほうがよいでしょう。
水流用ポンプ
水流用ポンプはネワの旧型ポンプを使用しています。後ろはマグネットで接続する方式ではなく、吸盤式でしたので吸盤を外し、作ってもらった専用のホルダーを使用して水槽に引っ掛けて使っています。ただし、魚が多い水槽では底の方の水流が弱いとデトリタスがたまりやすいため、下方にもうひとつ水中ポンプが欲しいところです。この用途であればコラリアナノあたりで間に合います。
メンテナンス
こちらも定期的な水かえを行いますが、底のほうに水流がうまくいっていないからなのか、単に魚が多すぎなのか、デトリタスがたまるようになってきており、ホースを使用して定期的に海水ごとデトリタスを抜いて、新しい海水を足してあげます。餌は普通に配合飼料を中心に与えているのですが、魚の数が多いためやや水質が落ちやすくなっています。そのためやや多めに水をかえてあげるとよさそうです。
水槽まとめ
我が家の水槽はここに挙げた通りです。どちらも生物の数がかなり多めではありますが、これは魚水槽ではほどほどのサイズのろ過槽+大容量のスキマーの設置+丈夫な海水魚を飼育しており、サンゴ水槽では大型のスキマーの設置、そしてこまめな水かえによって成り立っているものです。この部分も理解していただかないと、マネしてもうまくいかないように思います。