赤ゴケ「シアノバクテリア」の対策と駆除方法

マリンアクアリウムを楽しんでいると、あるときライブロックや砂の上に赤紫色のコケがべったり、なんていうことがあります。この赤紫色のコケはシアノバクテリア、もしくは藍藻(らんそう)と呼ばれるもので、写真のタイプのシアノバクテリアには毒があるためカエルウオなども食べてくれず、増殖すると困ったことになってしまいます。今回はこのシアノバクテリアの対策についてご紹介します。

シアノバクテリアとは

マリンアクアリウムで用いられる水槽で多くみられるタイプのシアノバクテリアは「赤ゴケ」とも呼ばれるように赤紫色をしたものですが、ほかにも緑色のものなどいろいろな種類が知られています。実際にはコケの仲間ではなく、名前に「バクテリア」とあるように細菌の仲間のようです。日本では淡水域で藍藻類が大量に発生し水が濃い緑色になってしまう現象(アオコ)がよく知られていますが、このアオコもプランクトン様の浮遊性藍藻が引き起こすものです。多くの場合べっとりしており、砂の上やライブロックの上、水槽の壁面に張り付きます。

これほど厄介なシアノバクテリアですが、アクアリウムの役に立つこともあります。

例えばシアノバクテリアの一種に「スピルリナ」というものがいますが、キョーリンから出されている人気の配合飼料「メガバイト グリーン」などにも配合されています。このスピルリナはもともと食用にもされてきたもので、必ずしも「シアノバクテリア=アクアリウムに悪」ということではないといえますが、この記事ではこれ以降、特に記述がない限り水槽で発生したら有害になりうるシアノバクテリアについてご紹介します。

シアノバクテリアの害

シアノバクテリアが発生すると、ライブロックや底砂を覆うようにして増えていきます。そうなると美観を損なうだけでなく、サンゴを覆ってしまい、その部分のサンゴが死んでしまうこともあります。さらに非常に早いペースで成長していきます。そのため、発生したら早めに水槽から取り除かなければなりません。

シアノバクテリアの対策

▲シアノバクテリアのあまりの繁殖力にメガネベニハゼもびっくり?

一般的に海水水槽に発生する赤いシアノバクテリアは毒があるため、カエルウオなどの魚は食べてくれません(もちろん「メガバイト」などの海水魚の餌に配合されるスピルリナなどは無毒です)。そのため、魚に食べてもらう以外の方法による対策を考えることになります。放置して置いたら水槽の底面が一面真っ赤っ赤・・・なんてこともあります。そのため早いうちに対処しなければなりません。

除去剤

▲ウミアザミは薬剤には弱かった

各メーカーからシアノバクテリアを除去する薬剤が市販されており、その大部分がサンゴにも無害であるとうたっているものの、実際にはサンゴに害を及ぼすことがあり、我が家の場合は繊細なソフトコーラルであるウミアザミ、丈夫なLPSであるネジレタバネサンゴなどを死なせてしまい、このほかシコロサンゴなど丈夫なサンゴも色がおかしくなるなどの問題が出てしまいました(元の色に戻るまで半月くらいかかった)。そのため使用するとこのようなことも起こりうるという認識を持たなければなりません。ちなみに影響を受けたのはサンゴや海藻だけで、魚には問題がありませんでした。

生物兵器

▲カエルウオの仲間は食べてくれない

「コケ」といえばカエルウオやヤドカリ、ニザダイなどに対処してもらうことが一般的なのですが、シアノバクテリアは毒性があるため、食べてくれることはありませんでした。アメフラシの仲間であるタツナミガイという種がシアノバクテリアを食べてくれるともいわれますが、筆者は確認していません。アメフラシの仲間ですので紫色の汁を出すこともあり、注意が必要です。

ナマコやマガキガイ、ベントス食性のハゼはシアノバクテリアは食べませんが砂を攪拌してくれますので少しは対策にもなるでしょう。ただしナマコはつぶれたりして死んでしまったら魚にとって強毒の「サポニン」を出すなど、安易に入れないほうがよいともいえます。

根気よく吸い出す

筆者の経験上、地味ですがもっとも効果があるように思います

ホースやエアチューブ、あるいはスポイトなどを使用し、発生したらそのたび、地道に水槽から出していくようにします。また少し時が経過すれば復活するため、その時にはまた吸い出すことになります。これを繰り返すことにより、やがて生えなくなっていくことが多いように思います。ちなみに筆者は比較的長めのスポイトを使用しています。短いものより長いものの方が扱いやすいように感じます。

シアノバクテリアの予防

シアノバクテリアにもいろいろ種類があるため、この予防方法が当てはまらないこともあります。ご了承ください。

水かえ

シアノバクテリアは「水かえなどをさぼっていると発生する」「硝酸塩やリン酸塩が多いと出てくる」ともいわれています。確かに水かえなどをさぼって硝酸塩が多くなった水槽では発生しやすいでしょう。しかしながら、低い硝酸塩濃度を維持している水槽でも発生することがあります。例えばミドリイシがうまく飼育できているような水槽でもシアノバクテリアが発生することがあり、そのような場合はリン酸塩が蓄積されている可能性も高いですので、水かえをして水槽から排出することも重要なのです。リン酸塩は主に餌から入ってきますが、餌を全くやらない、というわけにもいかず、また、吸着剤を使用するといっても限度がありますので、やはり定期的な水かえが重要といえます。

殺菌灯

▲殺菌灯の効果を過信してはいけない

紫外線殺菌灯「ターボツイスト」を日本で販売している神畑養魚によれば、同製品は淡水水槽内のアオコの除去抑制効果をアピールしています。たしかに効果はあるように思うのですが、発生したシアノバクテリアを抑制するのは難しいです。アオコは水中に漂う形でいるのに対し、シアノバクテリアはサンゴ岩やライブロックなどに付着しているから、シアノバクテリアを含んだ水が殺菌灯の中を通らないからです。なおカバーに入っていない、直接照射するタイプの殺菌灯も販売されていますが、ライブロックに直接紫外線を照射すればシアノバクテリアも死ぬでしょうが、ほかの有益な生物も死んでしまう(魚も死ぬし人体にも有害)ので絶対に直接照射してはいけません。

水流

水流ポンプをしっかり回してよどむような場所を作らないということも対策の一つとされます。ミドリイシなどを飼育sているサンゴ水槽ではしっかり水流がいきわたっているはずですが、それでも水があまりしっかりといきわたっていないところにシアノバクテリアがベットリということもありますので、水流ポンプを使って水槽内の水をしっかりと循環させる必要があります。それでも発生してしまったら、やはりホースなどを使用して水槽から取り除くようにしたいものです。

シアノバクテリアまとめ

  • 「赤ゴケ」「藍藻」などと呼ばれるが藻類ではなく細菌に近い仲間
  • すぐ増殖し底砂やライブロック、生きたサンゴを覆ってしまうことも
  • 毒があるのでカエルウオなどは食べてくれない
  • 除去剤はサンゴに無害とされているものでも死なせてしまうことがある
  • カエルウオやニザダイ、アイゴなどは食べてくれない
  • タツナミガイは食べるかもしれない
  • スポイトやホース、エアチューブなどで吸い出すのが確実
  • 水かえが有効なケースもあるが低栄養塩の環境で出現することも
  • アオコ退治には殺菌灯が有効だが海水水槽で増殖したものにはあまり効果なし
  • 水流は大事。よどみない水流を作りたい

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