夜の磯で魚採集!獲れる魚や注意点を解説します

海水魚採集は昼間に楽しむものと思いがちですが、魚の種類や季節などによっては夜間のほうが採集しやすいことも多くあります。しかしながら、ただでさえ危険で注意すべき点が多い磯採集であり、夜間はより危険が増すのでより注意しなければなりません。今回は夜の磯採集での注意点や獲れる魚などをご紹介します。

夜磯採集とは

文字通り、夜の磯でおこなう採集です。アクアリストが追いかけるチョウチョウウオ、スズメダイ、キンチャクダイ、ニザダイ、ハゼ、カエルウオetc…これらの魚は昼間泳ぎ回っていますが、夜間は眠ってしまうのです。これらの魚が眠っていて動きが鈍いときに網で掬って採集するのが夜磯採集の基本なのです。ここでは夜の磯採集についてご紹介していますが、砂地の混ざりの磯などで採集を行う際の参考にもなるかもしれません。ただし夜間の漁港での釣り採集については対象外とさせていただきます。

夜磯採集の利点

魚の動きが鈍い

▲素早いカエルウオも夜間はじっとしていることが多い

夜間に磯採集をおこなう最大のメリットがこれです。夜間は魚の動きが鈍くなるため昼よりも採集がしやすくなります。すばしっこいチョウチョウウオの仲間やニザダイの仲間、あるいはすぐ飛び跳ねて逃げようとするカエルウオの仲間などを採集するときにはこのメリットが大きいといえます。

夜しか姿をあらわさない魚も

夜行性の魚はその名の通り、夜間に活発になります。昼間にはなかなか姿を現さないものもおり、そのような魚は夜間に採集するのがよさそうです。ウツボやアナゴの仲間、テンジクダイの仲間、イットウダイの仲間、各種甲殻類や貝類などは夜間に活発になります。ただしオトヒメエビやタカラガイ、イモガイの類は採集してもよいのですが、イセエビやサザエなどは獲ってはいけません。またウツボやタコ、イモガイなどかまれると痛い目にあうものもいますので十分に注意します。

夜磯採集の注意点

足元が危ない

▲オニダルマオコゼは背鰭に猛毒棘あり。刺されると危険

まず夜間の磯採集は昼以上に足元に注意しなければいけません。夜の磯の場合足を踏み外して海に落下なんていう事故はとくに生命にかかわってきます。できれば磯へ行く前に航空写真などを閲覧して、できればあらかじめ明るいうちに現場に入るようにしてどのような状況になっているか把握しておきたいものです。また沖縄などでは足元にサンゴがごろごろと転がっていることもありますので、サンゴを踏みつぶさないようにします。そしてオニダルマオコゼやエイなども有毒の棘があり踏むと危険ですので細心の注意をはらう必要があります。

密漁に間違えられることも

夜は無脊椎動物の活動時間でもあります。その中でも貝類やイセエビの仲間は活発に動き回ります。そのためイセエビを密漁しているのではないか、と間違えられることもあります。バケツを除いたらイセエビがごっそり、なんてことのないように注意します。また都道府県によっては懐中電灯と一緒に使用できる網の大きさが決められていたりするようで、注意が必要といえます。またウミガメの仲間は光を嫌うようでそうなると産卵のために上がってこなくなるようで、懐中電灯などの利用が制限されることもあります。そのような場所での採集はやめたほうがいいかもしれません。

危険生物に注意

▲イモガイの仲間

先ほどものべたように、夜は無脊椎動物の活動時間でもあります。特に貝類や甲殻類は昼間よりもよく見られるのですが、その中には触ると危ない生物もいろいろいます。イモガイの仲間やらタコの仲間などは毒をもち、刺されたりかまれたりすると種によっては死に至るものもあります。このほかにイシガニの仲間(挟む力が強い)、ゴンズイ(背鰭と胸鰭の棘に毒がある)、ウツボ(歯が鋭くかまれると危険)、などがいます。

ものをなくしやすい

夜中の磯は真っ暗なので、当然昼間よりも網やバケツなどをなくしやすいといえます。用品は基本的に一つにまとめておいておき、手には懐中電灯、網、小さなバケツくらいにとどめておくのが無難です。そして一つにまとめた用品には発光するサイリウムなどを一緒においておくとよいでしょう。

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子連れ採集には最大限の注意を

最近は夜の磯でも採集する親子の姿を見ますが、磯に子供を連れて採集するときは必ず子供と一緒にいるようにしなければいけません。これは子供は好奇心が旺盛であちこちうろうろして危険な目にあいやすいからです。しかしながら私は、子供を夜の磯へ連れていくことはあまりおすすめしません。ただでさえ危険なことがいっぱいある磯なのに、暗くて足元も危ないので危険性が増してしまいます。また、大人であってもなるべく一人では行かないようにしたいところです。仲間がいないというときは、TwitterやFacebookなどのSNSサイトなどで仲間と出会うこともできます。

懐中電灯の電池残量は大丈夫?

▲夜の磯を歩く筆者。懐中電灯が欠かせない

夜間採集でもっとも重要なものが懐中電灯です。この懐中電灯の電池については、できれば採集へ行くたびに新しいものに交換しておきたいところです。採集の際に突然懐中電灯の電池が切れてしまえば採集に支障がでるどころか、生命にかかわることさえあります。できれば、もう一つ予備の懐中電灯を用意しておくくらいの万全な体制で磯に挑みましょう。懐中電灯も多くが従来の豆電球型からLEDのものに切り替わるようになりました。海水魚採集では防水のものが安心です。筆者はアイリスオーヤマのLED懐中電灯(1300ルーメン、結構重い)や、松下電器(現:パナソニック)の豆球懐中電灯BF-BS10(7000ルクス、軽いが大きい)などを使用しています。ただし懐中電灯は明るさも重要ですが持ち運びが楽かどうかも重要となります。いろいろ購入して自分に合ったサイズのものを見つけましょう。

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夜磯で出会える生物

チョウチョウウオの仲間

▲チョウハンのナイトカラー

昼間は素早くてなかなか採集できないチョウチョウウオも、夜間はさすがに泳ぎも鈍く、見つけることができれば容易に採集することができます。ただし夜間のチョウチョウウオは写真のように、昼間とは全く異なる色彩をしており見つけにくいこともあります。チョウチョウウオの仲間のほか、ほかの魚も同様の色を出していることが多いです。飼育はしやすいとはいえず、またサンゴ水槽にも入れられません。中~上級者向けといえます。

スズメダイの仲間

▲テンジクスズメダイの幼魚

▲ソラスズメダイ(水槽内で撮影したもの)

夜の磯でもスズメダイの仲間はお馴染みのものです。潮だまりではテンジクスズメダイ(写真)、イソスズメダイ、シマスズメダイなど、オヤビッチャ属の魚が多く見られます。しかしオヤビッチャ属の魚は性格がかなりきついので注意が必要です。昼間は用意に種を見分けられますが、ナイトカラーを出しているものはなかなか見分けにくいので、注意が必要です。ちなみにソラスズメダイやルリスズメダイは昼間は鮮やかな青色なのですが、夜間は暗い藍色になっていたり、真っ黒になっていることもあります。

ニザダイの仲間

▲シマハギ

ニザダイの仲間は昼に採集しようとすると素早く泳いで逃げ回りますが夜間は岩陰で休息しており動きもおとなしくなります。浅い潮だまりではニザダイ、クロハギ、ニセカンランハギ、ニジハギ、シマハギ、モンツキハギなどが採集できますが、シマハギ以外は大型になるため水槽もかなり大きなものが必要になるなど、飼育しにくいところがあります。

同様に昼間は泳ぎ回るアイゴの仲間も夜の磯で採集できます。しかし種類は少なく、関東ではアイゴのみ、沖縄でも潮だまりに入るのはアミアイゴなど数種と少ないです。またニザダイは尾に棘をもっており、取り扱いには注意が必要です。またアイゴやニザダイの鰭棘は強く、毒をもつため注意が必要です。

ボラ・トウゴロウイワシの仲間

▲トウゴロウイワシ科のムギイワシ

ボラの仲間はタイドプールではよく見かけますが、ある程度大きく育ったものは動きが素早く採集するのは難しいといえます。しかし夜間は昼間より動きがおとなしいことも多く、採集することができます。このほか、ボラの仲間によく似たトウゴロウイワシの仲間も昼間は水面直下を大群で素早く泳ぎ回っていますが、夜間は少しはおとなしくなり、採集もしやすくなります。写真のムギイワシも夜間波打ち際に集団でいたところを採集しました。場所的には国内どこでも獲れるようですが、西日本や琉球列島では多くの種が見られます。

テンジクダイの仲間

▲沖縄や奄美方面で採集できるテンジクダイの仲間たち

テンジクダイの仲間は夜間は活発に動くようになります。本州ではクロホシイシモチやミスジテンジクダイなど見られる種類は多くはないのですが、琉球列島では数・種ともに多くスジイシモチ(写真右)、タスジイシモチ(写真左)、キンセンイシモチなどが浅瀬で数多く見られ、シボリやリュウキュウイシモチ、ホソスジナミダテンジクダイといったちょっと変わった種類も見ることができます。

イットウダイの仲間

▲サンゴ礁の浅瀬ではホシエビスなども見ることができる(写真は飼育個体)

昼間はめったに姿を見せないのに夜間には活発に動くタイプの魚としてはこのイットウダイの仲間がいます。イットウダイの仲間は昼間は洞窟のような場所に潜んでいますが、夜間には泳ぎ回ります。イットウダイ科の魚は関東では少ないものの、アヤメエビスやテリエビス、おそらくツマリマツカサと思われる種が採集できることがあります。もちろん南西へ行くほど種類は多くなり、上記の種のほかナミマツカサ、クロオビマツカサ、ニジエビス、ホシエビス、ウケグチイットウダイ、アカマツカサ(琉球列島限定)などが見られます。

ウツボ・アナゴの仲間

▲沖縄島で採集したアミキカイウツボ

ウツボの仲間も昼はなかなか姿を見せませんが夜間のタイドプールではよく泳ぎ回る姿を見ることができます。関東では主にウツボかトラウツボ、もう少し行くとワカウツボやサビウツボ、ミナミウツボも見られ、琉球列島ではさらに多くのウツボを見ることができます。海水魚店ではよく見られるクモウツボも採集できるかもしれません。このほかアセウツボ、シマアラシウツボ、ヘリゴイシウツボ、ゼブラウツボ、アミキカイウツボなどが浅瀬で見られます。とくにアミキカイウツボはかなり浅い場所でも見られ、採集も容易です。ただしウツボの仲間は鋭い歯を持っているものが多く、かまれるとけがをすることもあるので注意しましょう。

アナゴの仲間で岩礁域にいるものは少ないのですが「トオヘエ」ことクロアナゴは夜間たまに見られます。これを飼育するのも楽しいように思えますが、この種はメーターオーバーになってしまうため、家庭水槽ではなかなか飼育しにくいものです。

カエルウオの仲間

▲夜のカエルウオの仲間(ホホグロギンポ)は捕まえやすい。手で触れたらそのまままっすぐ網の中へ入った

カエルウオの仲間は干潮時潮が引いたタイドプールでよく見られますが、網を近づけるとジャンプしてしまうのでなかなか採集しにくいところもありますが、夜間は潮だまりでじっとしており、網を近づけたら簡単に採集することができます。ただしフタをしていないといくら夜間寝ぼけてた個体といえジャンプして逃げてしまうこともあるため、バケツにフタはしっかりしておきましょう。

関東沿岸では少ないのですが、高知や宮崎、鹿児島、琉球列島では多くの種類を採集することが可能です。アクアリストにお馴染みのヤエヤマギンポ、それよりも小ぶりなシマギンポ、カエルウオ(九州以北)、ニセカエルウオ、センカエルウオ、ホホグロギンポ、スジギンポなど、カエルウオの仲間もいろいろいるのです。

ダンゴウオ・クサウオの仲間

▲ダンゴウオは冬の夜の人気者だ

冬季限定ですが、ダンゴウオやスナビクニンといったかわいい魚も夜の磯で採集できます。秋から冬季は夜のほうが昼間よりも潮が引くことが多いようで、このような魚に出会えるチャンスも多くなるのです。ただし、これらの魚は低い水温を好むため、クマノミやヤッコといった熱帯性海水魚や、造礁サンゴとの飼育は一切できませんので、注意が必要です。ダンゴウオと出会える場所は大体太平洋岸の三浦や房総などで、西日本では少ないです。なお、日本海岸にはダンゴウオはおらず、かわりにサクラダンゴウオというのが見られます。

ベラの仲間は少ない

▲夜間に採集したメガネモチノウオ

昼間の磯ではベラの仲間はよく見るものですが、夜間の磯ではベラの仲間はほとんど見られません。ベラの仲間は夜間は砂に潜ってしまうからです。夜間の磯で採集することができるベラの仲間はオハグロベラやモチノウオの類など一部の種に限られます。これらのベラは大きくなり、そうなると小魚や甲殻類を食べてしまいますので、サンゴ水槽での飼育には適していません。

夜磯採集まとめ

  • 魚の種類や季節などによっては夜間のほうが採集しやすいことも多い
  • 昼間泳ぎ回る魚も夜は動きが鈍くなっている
  • 夜間にしか姿を現さないような魚も多い
  • 足元は昼間以上に注意が必要
  • 密漁と間違えられることもある
  • 危険な生物も多く出現する
  • ものをなくしやすいのでひとまとめにおいておくのもよい
  • できるだけ一人では行かないようにする
  • 懐中電灯は命綱。電池はできるだけ新しいものを
  • チョウチョウウオやスズメダイは動きが鈍い。ナイトカラーを出していることも
  • ニザダイは夜間は採集しやすいが棘に注意
  • ボラやトウゴロウイワシなどもゆったりと泳いでいる
  • テンジクダイやイットウダイ類、ウツボなどは夜間に多い
  • 冬の夜磯ではダンゴウオも採集できるが熱帯性海水魚や造礁サンゴとの飼育は不可
  • ベラの仲間はほとんど見られない

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