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2020.01.22 (公開 2017.11.15) 餌・添加剤

バイタリス(Vitalis)ソフトコーラルフードを与えてみた

「バイタリス(Vitalis)」から販売されている「ソフトコーラルフード」という英国製の餌のレビューです。

バイタリスは海水魚用やサンゴ用のほかにも熱帯魚用、キンギョ用、コイ用など、さまざまな餌を販売しています。日本においてはエムエムシー企画レッドシー事業部が輸入販売元になっている商品で、海水魚用餌3種、サンゴなどの餌4種、そして熱帯魚・淡水エビ用餌2種を日本で展開しています。

サンゴ用の餌はこのソフトコーラルフードのほか、ハードコーラル(SPS)用のフード、LPSコーラルペレット、アネモネ(イソギンチャク)ペレットの計4種があり、このうちこのソフトコーラルフードとSPSフードはパウダー状、ほかの2種はペレット状のフードとなっています。

バイタリス ソフトコーラルフードはどんな餌?

バイタリスの無脊椎動物用フードはLPS(ポリプの大きなイシサンゴ)用、アネモネ(イソギンチャク)用、SPS(ミドリイシなど)用、ソフトコーラル用の4種類があります。このうちLPS用とアネモネ用はペレット状で、SPS用とソフトコーラル用は写真のようなパウダー状の粉末フードです。

ふたを開けてみますと、強烈な魚粉のニオイがします。このサイトでも紹介した「ポリプラボ リーフロイズ」の甲殻類のニオイとはちょっと異なりますが、ニオイが強いと魚の反応はよくなるようです。

この商品の主な原材料は魚粉や抽出物、野菜由来の抽出物や軟体動物で、もちろん甲殻類もはいっていますが、魚粉がメインのようです。もちろんビタミンやミネラルも含まれています。

バイタリス ソフトコーラルフードを実際に与える

商品に付属しているスプーンで直接水槽にばら撒くようにして与えてもよいのですが、それだと狙いのサンゴには餌が行き届きにくいこともありますので、スポイトを使って直接サンゴに給餌することをおすすめします。

この手の餌を与えるのには、スポイトと小型の計量カップが必要です。このほか添加剤などを添加する場合は別途用意する必要があります。

まずはオーバーフローであれば循環ポンプを止め、外掛け式のプロテインスキマーなどもストップさせるようにします。

餌を付属のスプーンを使って計量カップにとります。

スポイトを使って飼育水を餌が入った計量カップに入れ、それをスポイトで吸います。ここでビタミンやアミノ酸などを添加するのもよいです。

餌をサンゴに吹きかけるようにして与えます。前回紹介した「クリーン ホワイトシュリンプ」の給餌方法ではイサザアミをそのままサンゴに与えるような感じでしたが、この餌は粒子状の餌をサンゴ周辺に撒くようにして与えるという感じです。もちろん給餌の後は循環ポンプやスキマーを再度始動させます。

サンゴに与える

スコリミアやタバネサンゴといった夜間触手を伸ばして餌を捕食するようなサンゴであれば、夜間に給餌するのがベストといえますが、オオタバサンゴなどのように、昼間でも大きく触手を広げるサンゴがいます。

ハードコーラルはスポイトでサンゴのポリプひとつひとつに給餌していきます。前回の「ホワイトシュリンプ」でも触れましたが、スポイトでサンゴをつついてはいけません。サンゴがびっくりして触手を引っ込めてしまいますし、サンゴが傷ついてしまう恐れもあるからです。

ソフトコーラルはポリプが開いているときに与えるようにします。大型のトサカなどに与えるときは、水流ポンプを使って流れに乗せるようにして与えたり、逆に水流ポンプや循環ポンプを停止させ、スポイトを使ってサンゴの上に直接餌をまいて与えたりします。もちろん給餌して数分後には再度始動させるようにします。

魚に与える

▲テグリの仲間の餌付けにも使用可能

この商品が入っている容器には「ソフトコーラルのためのパウダーフード」と書かれていますが、裏には「ソフトコーラルや濾過摂食生物のためのパウダーフード」とあります。つまりソフトコーラルだけでなくほかのプランクトンを捕食するような生物にも適しているといえます。

たとえば小さなハナダイの仲間のように餌をこまめに与える必要がある魚、テグリ(ネズッポ科の魚)のようなスローイーター、小型のテンジクダイ、各種稚魚にも効果があります。特に粒餌を最初から食べるとは限らないテグリの餌付けに効果が期待できます。

魚への給餌方法は、スポイトを使って魚の周辺に餌を届けるだけです。魚が警戒しているときは、水流ポンプを使って、餌をポンプの流れにのせて届けます。またスズメダイなどの大食いの魚がいるとターゲットの魚よりも先に餌を食べてしまうことがあります。

もし可能であれば餌を先に食べてしまう方の魚を隔離ケースに入れて隔離するようにします。餌付けたい魚を隔離しないのは、餌付けたい魚を水槽の環境に慣れさせるためです。ただし、ハナダイやテグリ類と大型ヤッコや大型スズメダイなどのように、どうしても難しい組み合わせもあります。

バイタリス ソフトコーラルフードの保存方法

冷凍・冷蔵保存する必要はありませんが、乾燥餌、とくにパウダー状の餌は湿気にとても弱いため、涼しく乾燥したところで保管しておく必要があります。容器から餌をスプーンですくって容器に移すとき、水がはねて容器に入らないように注意しなければいけません。

バイタリス ソフトコーラルフードのまとめ

  • 英国の餌メーカーによる製品
  • 魚粉がメインで、軟体動物や甲殻類、ビタミン・ミネラルも含む
  • パウダー状の餌。水をふくませてスポイトで与えるとよい
  • サンゴだけでなく餌付きにくい魚にもおすすめ
  • 湿気を嫌うので乾燥した低めの温度で保管
  • 水がはねて容器に入らないよう注意

メーカーサイト

Vitalis(英語)

エムエムシー企画レッドシー事業部(日本語)

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