はじめて海水魚を買う・飼う前にやるべきこと~水槽環境は事前に準備!

夏祭りの縁日で金魚すくいですくったキンギョを飼育するのに「あとから水槽を買った」という話をよく聞きます。河川でメダカやオイカワなどを採集し、これらを飼育するのにも後から水槽を購入した方もいるかもしれません。淡水魚であればそれでもなんとかなることもありますが(本当は淡水魚飼育もしっかり準備するべきですが)、海水魚はそのようなやり方ではとても失敗しやすいです。今回はカクレクマノミと水槽セットを一緒に購入しても失敗する理由というのを考えてみましょう。

海水魚の飼育が淡水魚に比べて難しい理由

海水魚は淡水魚と異なり、非常に安定した環境に住んでいるものが多いです。そのため水質の悪化、水温の上昇および下降に対する耐性があまりないとされ、これが海水魚の飼育が難しい理由となっているといえるでしょう。

水温の問題

▲キンギョやコイは強い魚である

キンギョやコイなどはわが国の屋外でも飼育されることがあり、氷点下近い水温から30℃近くの水温にまで耐えることができ、水質の悪化にも非常に強い魚といえます(キンギョはリュウキンや土佐錦魚など一部の品種をのぞく)。

しかしながら、海水魚、とくに私たちが飼育しようとしているサンゴ礁の魚はおおむね20~28℃くらいの水温で見られ、冬に低い水温にさらされると死んでしまいます。また高いほうの水温もきれいで広大な海では32℃くらいまでは耐えられますが、狭い水槽では30℃くらいまでが限界といえます。水も悪くなりやすいですのでできるだけ25℃くらいで飼育してあげましょう。そのためにはクーラーとヒーターを周年使用することが大事ですが、水槽用クーラーは、従来より安価になったものの、まだまだ高価であるというのも手が出にくい理由のひとつといえます。

ろ過能力の問題

▲しっかりしたろ過システムの構築は海水魚の長期飼育には欠かせない

海水魚を飼育するのにはしっかりしたろ過槽が必要になります。これが、水槽セットを後から買った人の大部分が失敗する理由です。なぜならば、ただろ過槽を組めばいい、というわけでなく、魚の排せつ物をもとに発生する猛毒のアンモニアから、毒性がやや弱い亜硝酸へ、そしてその有毒の亜硝酸を魚に無害な硝酸に変えてくれるバクテリアの繁殖を待たなければいけないのです。大体人工海水とろ過槽をセットして2週間くらい空回ししてからカクレクマノミを導入します。バクテリア剤を入れればより早く立ち上げることができますが、それでも1週間くらいは待った方がよいと思います。

海水魚は真水(淡水)で生きていけません。しかしその真水に溶け込ませて海水をつくる人工海水のもとは各地のペットショップや通販で購入できます。そのため工程は増えるものの、入手は難しくありません。そのため日本で海水魚の飼育がはじまったころとは異なり、海水の入手は難しいものとはなっていません。しかし安価だからといって市販の塩では人工海水を作ることはできませんのでご注意ください。また海水を作るためには専用の比重計が必要になります。

カクレクマノミを飼いたいと思ったらリサーチが重要

カクレクマノミをしっかり飼育したいのであればリサーチが重要です。最近は調べものをする際にインターネットを使用することが多いのですが、しかしながらインターネットはいくつか良質サイトやコミュニティはあるもののその多くは有象無象、記事の質もよいもの悪いものが混ざり合っています。それゆえに信頼できる情報を得にくいところもあります。

おすすめは本を読むことです。海水魚飼育の本を読めば飼育の情報が簡単に手に入るでしょう。写真は私が海水魚飼育を再開するときに教科書としてきた枻(えい)出版社の「はじめて海水魚を飼うときに読む本」ですが、現在はもっと新しい本である「カクレクマノミの上手な飼い方」という本が2016年(ファインディング・ドリーの公開にあわせて)同じ枻出版社から出ているので、そのような入門書を読むのが一番確実でしょう。

UFOキャッチャーにカクレクマノミが?

冒頭でご紹介しました「金魚すくいでとったキンギョを飼うために水槽セットを買う」という話が海水魚でも起こっていました。なんと、UFOキャッチャーでカクレクマノミが景品になっているところがあったのだとか。

これはどうやら2013~2016年ごろということで、現在もあるのかは不明ではありますが、狭い容器にカクレクマノミが入っていてかわいそうという意見もあったのか最近は見られなくなりました。たしかに切り花的な消費とか、動物愛護の観点からも、このような景品は廃止したほうがよさそうです。

ただUFOキャッチャーで「捕獲」した後カクレクマノミをうまく飼育している人も決していないわけではありません。UFOキャッチャーの狭い容器から水槽へのケアがうまくいけば長期飼育も難しくはないかもしれません。しかし、しっかりしたろ過槽などの準備もしておかないと、短期間で死なせてしまう可能性が高いです。

UFOキャッチャーのカクレクマノミの出どころは?

UFOキャッチャーでとれるカクレクマノミの出どころは不明ですが、景品としては安定的な供給が必要不可欠であり、またかなり丈夫な個体が必要であるということから、野生のものを採集した、というよりは養殖個体が出どころになっている可能性が高いです。採集もののカクレクマノミの場合、ストレスの多い環境では病気になったりする可能性が養殖のものよりも高いと思われるからです(実際に我が家のワイルドもののクマノミも白点病的な症状やウーディニウム様の症状が出たことがあります)。

養殖のカクレクマノミについては供給がおいついている、もしくは供給過多なのか、お店などではひとつの大型水槽にたくさんのクマノミが乱舞している光景も見られるものの、一つの水槽に入れる数が多いと水質も悪化しやすく、岩陰には眼がないカクレクマノミの亡骸が・・・なんていうこともあります。そのためカクレクマノミを購入するときには安易に買わず、じっくり状態を見て決めたいものです。もちろんどのような魚にも共通していえることなのですが、養殖カクレクマノミのような安価な魚はとくにそうです。

カクレクマノミと水槽セットまとめ

  • カクレクマノミと水槽セットを一緒に飼っても長生きさせられない
  • カクレクマノミが住めるようバクテリアを繁殖させるのに時間がかかる
  • キンギョやコイなどの淡水魚と比べると海水魚は安定した環境にすむため変化に弱い
  • 海水魚を飼育する前のリサーチが重要
  • UFOキャッチャーで「捕獲」しても飼育準備をしていないとすぐに死なせてしまうことが多い

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