バイカラードティバックの飼育方法~ロイヤルグランマと異なる習性に注意

バイカラードティバックは、体の前半分が紫色、体の後半分が黄色に塗り分けられた体が美しいメギス科の海水魚です。日本には生息していませんが、東南アジアで採集されるため安価で購入することができます。鮮やかな色彩で、丈夫で飼育しやすいため人気があるのですが、結構性格がきつめでほかの魚との混泳には注意する必要があります。

標準和名 なし
学名 Pictichromis paccagnellae (Axelrod, 1973)
英名 Bicolor dottyback, Royal dottybackなど
分類 条鰭綱・スズキ目・スズキ亜目・メギス科・クレナイニセスズメ属
全長 7cm
飼育難易度 ★☆☆☆☆
おすすめの餌 メガバイトレッドなど
温度 25℃
水槽 45cm~
混泳 性格はきつめで混泳は要注意
サンゴとの飼育 多くのサンゴと組み合わせられる

バイカラードティバックってどんな魚?

バイカラードティバック2

▲2色に塗り分けられているのが特徴

バイカラードティバックはスズキ目・メギス科の海水魚です。体は前半分が紫、後半分が黄色という2つの色に塗り分けられているのが特徴です。英語名の「バイカラー」とはBi(二つの)とcolor(色)という意味であり、本種の体色にちなみます。英語圏ではこのほか「ロイヤルドティバック」と呼ばれることもあります。インドネシアなど西太平洋のサンゴ礁域に生息しており、日本には分布しておらず種の標準和名もついていません。

分類

従来はニセスズメ属(Genus Pseudochromis)の中に入れられていましたが、2004年になって設立された「クレナイニセスズメ属」に含まれることが多くなっています。この属の種はどの種も体色が黄色と紫色の2色に分けられているのが特徴です(ただしクレナイニセスズメは黄色の部分がなく全身が紫色)。

西太平洋のサンゴ礁域から7種が知られているのですが観賞魚店に入ってくるのはディアディムドティバック(通称カンムリニセスズメ)や、この仲間では唯一日本にもみられるクレナイニセスズメくらいで、ほかの種類はほとんどお目にかかれません。なお、紅海に生息する全身紫色の人気種オーキッドドティバック(フリードマニー)はニセスズメ属の魚です。

ロイヤルグランマとの見分け方

▲ロイヤルグランマ

ロイヤルグランマはグランマ科と呼ばれる、大西洋にしか生息しないグループの魚です。しかしながら色彩は前半分が紫、後ろ半分が黄色と、バイカラードティバックに極めてよく似ています。ロイヤルグランマは映画「ファインディング・ニモ」にもガーグルという役で登場しており、バイカラードティバックよりも知名度は高いといえます。よく似た種ですが、ロイヤルグランマの背鰭には黒色斑があること(バイカラードティバックにはない)、鰭の色がハッキリしていること(鰭は半透明で色がついていることもあるが薄い)、眼を通る黒い線があること(ない)、などがあげられます。

なお、ロイヤルグランマと本種はやや習性が異なっているところがあり、飼育には注意が必要です。ロイヤルグランマの飼育方法は以下のリンクもご参照くださいませ。

バイカラードティバック飼育に適した環境

水槽

バイカラードティバックはあまり大きくならないので45cm水槽でも長く飼育することができます。しかし性格は激しいのでほかの魚と混泳するのであれば60cm水槽での飼育をおすすめします。60cm水槽であれば水量も多く確保できるので、それより小さな水槽とくらべ、管理も楽です。

水質とろ過システム

比較的水質悪化には耐えられますが、できるだけきれいな水槽で飼育するように心がけます。外部ろ過槽はできるだけ単用を避け、上部ろ過槽や小型のプロテインスキマー、小型水槽では外掛けろ過槽と併用するようにします。

メギス科の魚は全般的にサンゴに悪影響を与えないのでサンゴ水槽での飼育もよいのですが、本種を入れるのであれば温和なハゼの仲間などは入れにくいです。またベルリンシステムやゼオビットシステムなど、サンゴをメインに飼育するシステムでは魚を多く入れることはできなくなります。

水温

水温は原則25℃をキープします。カリブ海にすむロイヤルグランマよりも高めの水温で飼育できますが、高すぎる水温はNGです。また、水温が上がったり下がったり安定しないのでは、いくら丈夫で飼育しやすいバイカラードティバックといえど体調をくずし病気になることがあります。ヒーターとクーラーを使用し水温を一定に保ちます。

隠れ家

バイカラードティバックが隠れたり、縄張りを主張できるようにライブロックやサンゴ岩を組み合わせて隠れ家を作ってやります。

バイカラードティバックに適した餌

バイカラードティバックは動物食性で、甲殻類や動物プランクトンなどの小動物を捕食します。飼育下では配合飼料に餌付くのも早いのですが、極端に大きい個体など、餌を食べないようであれば冷凍のホワイトシュリンプなどを与えるようにします。ただし冷凍餌は水を汚すため注意が必要です。

また餌を食べない理由が水質の悪化であったり、水温がおかしいなんていうこともあります。そのようなときは水槽の器具やろ過の見直しをしなければなりません。

バイカラードティバックをお迎えする

バイカラードティバックは日本には分布していないので、購入に頼ることになります。主な分布域はインドネシア近海であり、状態がよくないこともあるので、入荷してすぐの個体を購入することは避けましょう。安価な魚ではありますが、そのぶん雑な扱いを受けやすいといえます。

また、白い点が体表や鰭についているもの、鰭がぼろぼろのもの、鰭が溶けていたり、ただれがあるものなどは選んではいけません。また夜間の睡眠時でもないのに、水槽の底や隅などでじっとしているものもだめです。水槽の飾りサンゴの周囲をゆったりと泳いでいるものを選ぶようにしたいものです。

ほかの生物との関係

バイカラードティバック混泳

▲同種や近縁種では争う。クマノミやヤッコなどとの混泳が最適

メギスの仲間は同種同士で激しく争うことがあります。そのため同種や近縁種、似たシルエットをした魚との混泳は避け、スズメダイや小型ヤッコなどと混泳させるようにしましょう。性格はややきつめですので、小型ヤッコと飼育するのであれば後から追加するくらいでちょうどよいでしょう。

ほかの魚との混泳

メギスの仲間は性格がきつめなため、温和なハゼなどとの混泳には不向きです。そのため、やや強めの魚との混泳が向きます。たとえばカクレクマノミとか、ヤッコ、スズメダイ、ハギ、アイゴ、ベラなどとであれば混泳は可能です。ただ強めといってもハタの仲間だったり、ベラの仲間でも大きくなるモチノウオなどには捕食されるおそれがあるため、混泳はできません。体高が低めのバイカラードティバックは肉食魚に捕食されやすいようです。

サンゴ・無脊椎動物との相性

サンゴには無害なため、SPS、LPS、ソフトコーラルいずれも相性は良好です。ただしクマノミの仲間と共生するタイプのイソギンチャク(ハタゴイソギンチャク)は大型になり、魚食性が強いため避けておいた方が無難です。

一方甲殻類は捕食してしまうこともありますので、あまりおすすめできません。キャメルシュリンプの類やカクレエビはもちろん、スカンクシュリンプなどを襲ってしまうこともあります。小型のものや脱皮直後は要注意です。逆にイセエビなど大きめの甲殻類はバイカラードティバックを襲って食べてしまうこともあります。

バイカラードティバック飼育まとめ

  • 前半分が紫、後ろ半分が黄色という美しい色彩のメギス科の小型種
  • 丈夫で飼育もしやすいが性格はきつめ
  • クレナイニセスズメと同じ仲間
  • ロイヤルグランマに似ているが眼を通る線や背鰭の模様を欠く
  • 45cm水槽でも飼育は可能だが、60cm水槽での飼育がおすすめ
  • できるだけきれいな水で飼う。外部ろ過槽や外掛けろ過槽は単用を避ける
  • 水温は25℃前後を確実にキープする
  • サンゴ岩やライブロックなどで隠れ家を作ってあげたい
  • 配合飼料をよく食べてくれ餌付きはよい
  • 入荷してすぐの個体は購入しない
  • 鰭がぼろぼろの個体や傷がある個体、常にじっとしているようなものなども避ける
  • 複数飼育やよくにたシルエットの魚とは混泳しない
  • 小型ヤッコやクマノミなどとの組み合わせがおすすめ
  • サンゴには無害だがイソギンチャクとは組み合わせない方がよい
  • 小型の甲殻類を捕食することも

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