ヒレナガネジリンボウの飼い方~餌・混泳の注意点 | 海水魚ラボ

ヒレナガネジリンボウの飼い方~餌・混泳の注意点

標準和名:ヒレナガネジリンボウ
学名:Stonogobiops nematodes Hoese and randall, 1982
別名:ハタタテネジリンボウ
分類:スズキ目・ハゼ亜目・ハゼ科・ハゼ亜科・ネジリンボウ属
全長:5cm

ヒレナガネジリンボウの特徴

体に斜めの黒い縞模様があること、第1背鰭の第2棘よく伸びることでほかのネジリンボウの仲間と簡単に見分けることができます。よく似た名前で斑紋も似ているネジリンボウとは第1背鰭の第2棘が著しく長く伸びないことで見分けることができます。

標準和名は「ヒレナガネジリンボウ」なのですが、観賞魚の業界ではこの名前でよばれることはあまりなく「ハタタテネジリンボウ」の名前で呼ばれることが多いです。

ヒレナガネジリンボウと共生するテッポウエビ

▲コトブキテッポウエビ(下)共生する

海ではコトブキテッポウエビ(ランドールズピストルシュリンプ)と共生しています。この種は観賞魚としてもよく流通していますので入手は容易です。

ハゼの仲間、ハチマキダテハゼとニシキテッポウエビの共生。自然の海をそのまま切り取ったような風景。砂を掘るエビと可愛い用心棒であるハゼ...

ヒレナガネジリンボウの生息する海域

日本においては相模湾以南の太平洋岸、琉球列島に分布していて、ダイバーによりあちこちで写真が撮影されています。水深20~50m位に生息しているもので磯採集で出会うのは困難です。海外ではインド-西太平洋に分布しています。

日本にも分布しているのですが、他の共生ハゼの仲間同様に日本産の個体が来ることはあまり多くなく、ほとんどが東南アジアから輸入されたものです。

ヒレナガネジリンボウの飼育に適した水槽

あまり大きくならず、本種とテッポウエビの共生を観察するならば30cmキューブ水槽でも飼育可能です。他の種類の魚と混泳させるのであればもっと大きな45cm以上の水槽で楽しむのが良いでしょう。水量を多くする理由は底面積を広くとり、縄張りを十分にもてるようにするということや、魚の量が増えるため多くの水量を確保するためという理由があります。

水槽に高さは必要ないのですが、底面積を広くとるために奥行きがある水槽で飼育するのも良いかもしれません。60cm水槽であれば、やや奥行のある60×45×45cm水槽で飼育するのもよいでしょう。ただしかなり重くなるので注意します。

ふた

意外にも本種の飼育にはふたが大事なものとなります。ふたがないと飛び出して干物になってしまうこともあります。ネジリンボウの仲間はダテハゼの仲間よりも飛び出してしまうことが多いように思われ、私も何度か経験しています。要注意です。

水温

カクレクマノミなど他の一般的な熱帯性海水魚と同様25℃で飼育するとよいですが、やや深い場所にも生息するため、これより少し低いくらいでも大丈夫です。もっとも大事なのは水温が安定していることです。とくに季節の変わり目などに十分注意しましょう。

ヒレナガネジリンボウの餌

海では動物プランクトンや底生小動物などを捕食しています。ヒレナガネジリンボウは口が大きめですので粒餌なども食べられますが、やや小さめのペレットフードが好ましいかもしれません。このほか冷凍のイサザアミやコペポーダなどもよく食べてくれますがそのような餌は水を汚しますので与えすぎるのは禁物です。

ヒレナガネジリンボウと他の魚との混泳について

▲大きな口を開けてイソギンポ科のナベカを威嚇するヒレナガネジリンボウ

ヒレナガネジリンボウは結構温和な魚なので、他の多くの魚と混泳することができます。遊泳性ハゼ、底生ハゼ、ハナダイ、カクレクマノミ、ピグミーゴビー、カエルウオなどさまざまな魚と一緒に飼育することができます。

ただし口に入るようなサイズの魚と組み合わせるのは避けるべきです。また気が強いベラの仲間のニセモチノウオなどの種類の混泳もやめた方がよいでしょう。

ヒレナガネジリンボウと他の共生ハゼとの混泳について

まずはヒレナガネジリンボウが落ち着けるような環境をつくりましょう。他の共生ハゼを足すのはその後です。共生ハゼ同士の混泳には本種を脅かさないような共生ハゼが良いでしょう。具体的に魚種名をあげるならばダテハゼ属の小型~中型種、例えばクビアカハゼやヤノダテハゼ。オニハゼ属のヒメオニハゼやホタテツノハゼなどとも混泳を楽しむことができます。

一方ギンガハゼなどのイトヒキハゼ属の魚や、ダテハゼ属でもニチリンダテハゼのように大型で気が強い共生ハゼの仲間との飼育は避けるのが無難です。

ヒレナガネジリンボウとサンゴ・無脊椎動物との相性

他の共生ハゼの仲間同様にサンゴや無脊椎動物には悪戯をしないのでサンゴとの組み合わせはしやすいといえます。共生するテッポウエビもコトブキテッポウエビ(ランドールズピストルシュリンプ)が選ばれることが多いので、ニシキテッポウエビなどよりはレイアウトも崩しにくいといえます。

注意しなければいけないのはイソギンチャクの仲間や大型の甲殻類で、これらは小魚を食べてしまう恐れがあるので気を付けましょう。

もっとネジリンボウ属を見たい!

▲インド洋産の代表的な種 ドラキュラシュリンプゴビー

▲ヒレナガネジリンボウに次いでよく入荷するヤシャハゼ。

ネジリンボウ属の仲間で日本に入ってくるのはこのヒレナガネジリンボウ、ヤシャハゼとインド洋のドラキュラシュリンプゴビーの3種です。

属の和名にもなっているネジリンボウですが、従来は観賞魚として細々と入ってきていたようですが、なぜかアクアリウムの世界ではあまり見られない種類です。分布域もフィリピンやインドネシアなどの西太平洋域であり、不可解なものです。色彩や体のサイズから区別できる2タイプがいるようで、ぜひとも入ってきてほしい魚といえます。また日本の高知県産の個体を基に記載されたキツネメネジリンボウもまだ入ってきません。派手さはありませんが丸い背鰭、先端の黒い腹鰭などが魅力的な種です。温帯のやや深場に多いため高水温は禁物かもしれません。

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