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2020.06.23 (公開 2020.06.22) メンテナンス

ライブロックからヒトデやクモヒトデが出現したときの対処方法

ライブロックの中からはさまざまな生物が出現します。その中にはそのまま水槽で飼育できるものもいますが、一方でほかの生物に害を及ぼすものが出てくることがあります。ライブロックからはヒトデの仲間も出てくることもあります。また、同じく棘皮動物門の生物である毛むくじゃらの足をしたクモヒトデの仲間もライブロックから出現することがあります。これらの生物は水槽内のほかの生物に害を与えるのでしょうか。それとも無害でしょうか。今回はライブロックから出現するヒトデについての対処法をご紹介します。

ヒトデとは

▲コブヒトデ

「ヒトデ」は棘皮動物門ヒトデ綱と呼ばれる分類群の生物の総称であり、星形の体が特徴的な生物です。アクアリウムの世界でもヒトデの仲間はいろいろいますが、中にはサンゴを食べるなどの種類もいるため、アクアリストからの人気はそれほど高くないといえます。主に流通するのはコブヒトデ、アオヒトデ、ジュズベリヒトデ、カワテブクロなどで、コブヒトデは普通に飼育されるほか、ヒトデを専門に食う変わったエビのフリソデエビの餌にもなります。観賞用としてのヒトデの飼育についてはまた別に解説します。

このほかにヒトデの仲間はライブロックについてくることがあります。ライブロックの隙間などに隠れていることも多く、そのままライブロックといっしょに運ばれてきます。今回はこのライブロックから出現するヒトデの仲間んついてご紹介します。

ライブロックから出てくるヒトデの仲間

ヒトデの仲間

▲ライブロックの中に潜んでいたヒトデの仲間

ライブロックの故郷といえる暖かい海に生息するヒトデといえば派手なアオヒトデなどを思い浮かべますが、実際にライブロックから出てくるヒトデは写真のような地味なものがほとんどであり、色は灰色から茶褐色のものが多いです。このような色合いをしているとライブロックの中にヒトデがいても気が付かないでしょう。しかしまれにピンク色がきれいなヒトデが出てくることもあります。いずれにせよ小型のものがほとんどで、大きなものが出てくることはほとんどありません。

クモヒトデの仲間

▲小型のクモヒトデはよく出現する

クモヒトデはヒトデと同じ棘皮動物門の生き物で、名前にも「ヒトデ」とありますが、ヒトデの仲間ではありません。クモヒトデ綱という別の仲間になりますが、ここではあえて含めました。大きめのライブロックの中にはほぼ確実にみられる生物で、隙間から細くて長い足を振っているのがよく見られます。一見、動きは遅そうなのですが、腕を振りながら意外と素早い動きをすることができます。写真のような茶色い体に5本の腕があるものが多いのですが、真っ黒な体のもの、赤みを帯びたもの、縞模様で腕が6本あるものなど、ひとくちに「クモヒトデ」といってもいろいろな種類がいるのです。

ヒトデは有害?無害?

ヒトデの仲間はときに害を及ぼすことがあります。ある種のヒトデはソフトコーラルやハードコーラルを襲って食べてしまいます。ただし、すべてのヒトデがそのようなものを捕食するというわけではないようで、我が家にいるヒトデはサンゴを食べているような様子は見られません。ただしサンゴが弱っているときなど、サンゴを捕食してしまう可能性は否定できません。これはほかの甲殻類などにも同じようなことがいえそうです。

クモヒトデはサンゴを食べてしまうなどの被害を及ぼすことはありません。主に微生物の死骸などの有機物を捕食しているようです。そのため見た目はよくないものの、生物には基本的に害はなく、有益な存在ともいえます。しかし消灯後深夜に水槽を除くと大きなクモヒトデが徘徊し、アクアリストをびっくりさせることがあります。

またヒトデ類はライブロックについているだけでなく、アオヒトデやコブヒトデ、マンジュウヒトデ、ジュズベリヒトデの類などが販売されていますが、飼育はやや難しめのが多いような気がします。一方ライブロックについているヒトデは飼育しやすく、我が家でも長いこと水槽で飼育しています。

ヒトデの駆除

▲クモヒトデは放置で問題なし

水槽のガラス面に引っ付いている個体を長いピンセットでつまみます。これだけでヒトデを駆除できます。素手で触ってもよくないわけではないのですが、ヒトデの中にも毒があるような種類がいますので、やはりピンセットなどでつまんだほうが安心といえるでしょう。消灯した深夜に水槽をのぞくと巻貝などとともにガラス面にへばりついていることがあります。それをピンセットでつまめばよいのです。ただし、体がちぎれてしまうとそこからまた元通りになってしまいます。この用途に使用するピンセットは海水で錆びず軽くて使いやすいカミハタの「多目的ピンセット」などがよいでしょう。

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一方クモヒトデについては駆除の必要はなく、そのまま放置で問題ありません。ただし小型のものは最初のうちは水槽内のライブロックのあちこちで腕をふりふりしていますが、やがていなくなってしまうことも多いです。

ライブロックから出てくるヒトデまとめ

  • ライブロックからヒトデが出現することもある
  • 概ね灰色から茶褐色のものが多くカラフルなものはいない
  • ライブロックから出現するものは小型のものが多い
  • ヒトデのほかにクモヒトデも出現する
  • ヒトデはサンゴを食べることがあるため駆除したほうがよいかもしれない
  • ヒトデはピンセットでつまんで駆除する
  • ヒトデはちぎれるとそこから再生するので注意
  • クモヒトデは駆除する必要なし
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