ミズタマハゼの飼育方法~砂を掘るのでサンゴ水槽では要注意

ミズタマハゼ

ミズタマハゼはベントス食性のハゼの仲間で、体色は派手ではないのですが人気がある魚です。

サンゴ水槽の砂に生えるコケ対策として入れられることがありますが、サンゴを置く場所などによってはサンゴにダメージを与えることもあります。

ここではミズタマハゼを飼育する上でのポイントをまとめました。

標準和名 ミズタマハゼ
学名 Valenciennea sexguttata (Valenciennes, 1837)
英名 Sixspot goby
分類 スズキ目・ハゼ亜目・ハゼ科・ハゼ亜科・クロイトハゼ属
全長 14cm
飼育難易度 ★☆☆☆☆
おすすめの餌 メガバイトレッド
温度 24~26度
水槽 45cm以上
混泳 気が強い魚とは注意が必要
サンゴ飼育

ミズタマハゼってどんなハゼ?

ミズタマハゼの特徴

ミズタマハゼの特徴

オトメハゼ

オトメハゼ

ミズタマハゼは、以前このサイトでも紹介したオトメハゼと同じ、クロイトハゼ属のハゼです。オトメハゼは体にオレンジ色の模様がありますが、ミズタマハゼはの体にオレンジ色の斑点がないのでオトメハゼとは容易に区別できます。

ミズタマハゼという和名は頭部にある青白い色の斑点にちなみます。英語名も同じ。学名のうち属の学名は19世紀に活躍したフランスの魚類学者アシル・ヴァランシエンヌ(Achille Valenciennes 1794-1865)に由来。本種を新種記載したのもヴァランシエンヌです(当時属はEleotrisとしていた)。種小名は「6つの滴、斑点」という意味で、やはり頭部の模様にちなみます。

アカハチハゼなどとの違い

アカハチハゼ

アカハチハゼ

クロイトハゼ属は10数種が知られており、その中でもアカハチハゼは美しい色彩をしているため人気があります。

しかし、アカハチハゼはサンゴ水槽で飼育するのには不向きです。アカハチハゼは中層を遊泳し、サンゴ砂を広範囲にばら撒いてしまうおそれがあるのです。ほか、クロイトハゼやアオハチハゼなどが似た習性をもっています。サンゴ水槽で飼育するのであれば、ミズタマハゼやオトメハゼ、ササハゼなど、常に底の方にいる種がよいでしょう。

アカハチハゼを含むそのほかのベントスゴビーはこちらもご参照ください

ミズタマハゼに適した飼育環境

水槽

ミズタマハゼは全長10cmを超えるので、水槽内でも成長することを考えると最低でも45cmは欲しいところです。できれば60cm以上の水槽で飼育するのが理想的といえます。

水質とろ過システム

水質悪化にはそこそこ強めですが、あまり硝酸塩の濃度が高かったり、アンモニアや亜硝酸が検出されるというのはよくありません。ろ過はしっかりしたものをセレクトします。おすすめは上部フィルター、もしくは上部フィルターと外部フィルターの組み合わせです。

砂を動かす習性があるため底面フィルターや、モナコシステムの水槽では飼育してはいけません。システムによっては水槽が崩壊する恐れもあります。ベルリンシステムでの飼育は問題ないですが、サンゴに砂がかからないように注意しましょう。

水温と病気対策

サンゴ礁域の浅瀬にすむため水温は25℃前後が望ましいといえます。もちろん水温が一定であることも重要なことです。クーラーやヒーターを使用して年中一定に保つ必要があります。

ミズタマハゼなどのベントス食ハゼの飼育で注意しなければならないのは、頻繁に砂を動かすこと。

砂中にたまりやすい病気の原虫などが水中を舞ってしまうおそれもあります。水温を一定に保ったり、殺菌灯を使用したりするのは病気になりやすい魚とミズタマハゼを混泳させるうえではマストといえます。

クサビライシトハゼ

ミズタマハゼを飼育する上で砂はかならず敷くようにしましょう。

砂はパウダーサンドが最適ですが、パウダーよりも若干粗めの砂でも飼育できます。大きな礫状のサンゴ砂を一面に敷くのはあまりおすすめしません。ライブロックやサンゴ岩を置いておくとその周辺に巣穴を作ります。サンゴを置くときは砂がかかっていないかどうかのチェックが重要です。

フタ

いつも底の方にいるミズタマハゼですが、驚くと水槽から飛び出して死んでしまうことがあります。そのような事故を防ぐために、水槽にはきちんとフタをしましょう。

またハゼに限らず魚を驚かさないように注意した方がよいでしょう。ドアの開け閉めや人の出入りが激しいところには水槽は置かない方がよいかもしれません。

ミズタマハゼに適した餌

餌の種類

砂の中の生物を捕食しているミズタマハゼ

砂の中の生物を捕食している

ミズタマハゼは常に海の底にいます。ですから水面に浮いているフレークフードは適しません。ペレットフードやパウダーフードが適しています。

なお、ミズタマハゼはコケを捕食しているのではなく、砂の中にすむ生物を食べているのです。コケ対策としていれられることが多いのは、砂を動かすことでコケが生えにくくなるという効果を狙ったものです。ですから餌をあげないとすぐに痩せてしまいます。意外と大食いですので多めに餌を与えましょう。

給餌方法

スポイトを使用し、沈降性の配合飼料をミズタマハゼの前にそっと撒いてあげたり、数多くの動きが素早い魚がいるときはスポイトを上手く使用して砂の中に餌を埋めてあげるとよいでしょう。

メガバイトのSサイズのように細かい粒の餌を給餌するときは一旦ビーカーの中に入れ、海水につけてからスポイトで与えるなど工夫するとよいでしょう。

ミズタマハゼを入手する

ミズタマハゼ

よく太っている、健康そうなミズタマハゼ

ミズタマハゼは東南アジアにも分布していますが、本種は主にスリランカからやってくることが多いように思います。

日本にも屋久島や琉球列島に分布してはいるのですがオトメハゼと比べて数は少ないです。沖縄からも来ることがあるのですが、入手は容易とはいえません。スリランカ産のものも気象条件によってはなかなか来ないことがあります。

選ぶときはおなかがふっくらしているものを選ぶとよいでしょう。くぼんでいるものは痩せてしまっている可能性があります。もちろん体が薄くぺらぺらになっている個体も避けなければなりません。

そのほかの注意点はほかの一般的な魚と同様、つまり鰭がぼろぼろになっている、鰭や体表に赤いただれがある、口に傷がある、動くものに反応しない、鰭に白点がついている、ような個体は避けるようにしましょう。

ミズタマハゼと他の生物との関係

同種同士の混泳

60cm以上の大きさの水槽であれば複数飼育もできますが、ペア以外の同種同士では若干争うこともあり、注意が必要です。

ほかの魚との混泳

ミズタマハゼと他魚の混泳例

ミズタマハゼと他魚の混泳例

ミズタマハゼは他の小魚との混泳は可能ですが、クマノミの仲間の大きいのや、スズメダイの仲間の大きい種、メギス、ゴンベなどの気が強い魚との混泳には向いていません。

またカサゴやハタなどはもちろん、ウツボの仲間や大型のバスレットなどは、ミズタマハゼなどを食べてしまうおそれがあります。このような魚とはなるべく一緒にしないよう注意しなければなりません。

また砂を掘りまくることを考えると、チョウチョウウオの仲間やキンチャクダイ属(キートドントプルス)、ハコフグの仲間、ハギの仲間もおすすめしません。ハコフグの仲間は病気に弱いほか、皮膚からパフトキシンと呼ばれる毒を出すことがあり、他の魚を殺してしまう可能性もあるので混泳はやめたほうがよいでしょう。

サンゴ・無脊椎動物との相性

ミズタマハゼの飼育では、水槽の底の方にサンゴは置かないほうがよい

水槽の底の方にサンゴは置かないほうがよい

アカハチハゼと異なり、あまり水槽の底を離れないためサンゴとの飼育も可能ですが、条件があります。それは水槽の底の方にサンゴを置かない、ということです。ミズタマハゼを含むベントスハゼは口に砂を含み、鰓から砂を排出するのですが、その排出された砂がサンゴにかかるとサンゴがダメージを受けてしまうのです。クサビライシなど、水槽の底の方に配置したいサンゴとの相性はよくないといえるでしょう。このほかイソギンチャクの仲間はハゼなどを捕食してしまうことがありますので避けた方が無難でしょう。

なお、本種やオトメハゼは共生ハゼと思われがちですが、テッポウエビと共生はしない種です。共生ハゼとテッポウエビの組み合わせにミズタマハゼを入れるのもよいですが、大きな共生ハゼは意外に気が強かったりしますので注意しなければなりません。スカンクシュリンプやサロンシュリンプ、サラサエビなどのエビとは問題ありませんが、イセエビなどのエビやカニの仲間と組み合わせるとミズタマハゼは捕食されてしまうこともあります。クリーナーであっても強くて大きなハサミをもつオトヒメエビも避けた方が無難です。

ミズタマハゼの飼育まとめ

  • 口を砂にふくみ、砂の中の生物を捕食する
  • 砂を動かすおそれがある
  • 水槽は小さくても45cm
  • 底面ろ過槽での飼育はできない
  • 底砂はかならず敷く。できればパウダーサンド
  • 水温を一定にし殺菌灯を使用して病気を防ぐ
  • きちんとフタをする
  • 餌はペレットフード。砂に埋めたりハゼの目の前に餌を落とすなど工夫を
  • お腹がくぼんでいるものや痩せたものなどは避ける。太っているものがよい
  • 肉食魚やチョウチョウウオ、スズメダイとの飼育は避ける
  • サンゴは置く場所に注意

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