ネズスズメダイの飼育方法~幼魚と成魚では大違い!混泳は要注意

ネズスズメダイの飼育方法

ネズスズメダイはスズメダイ科の魚です。幼魚は灰色の体に青い鱗や線が入りとても美しいのですが、成長するとほとんど灰色一色という地味な色彩になり、性格もかなりきつくなります。

採集して持ち帰りたくなりますが、成長したときのサイズや性格を考慮し持ち帰るか逃がすか決めるようにしましょう

なお、混泳することさえ考えなければ飼育自体は非常に簡単で初心者でも長期飼育できますが、初心者の方は魚をいろいろ入れたがるものですので、おすすめすることはできません。

標準和名 ネズスズメダイ
学名 Chrysiptera glauca (Cuvier, 1830)
英名 Grey demoiselle
分類 スズキ目・スズキ亜目・スズメダイ科・ルリスズメダイ属
全長 10cm
飼育難易度 ★☆☆☆☆
おすすめの餌 メガバイト グリーン海藻70など
温度 25℃
水槽 45cm~
混泳 難しい
サンゴ飼育
そのほか 幼魚は綺麗だが成長すると灰色の地味な姿に変貌してしまう

ネズスズメダイってどんな魚?

ネズスズメダイの幼魚

▲ネズスズメダイの幼魚

アクアリストにはおなじみの、ルリスズメダイやシリキルリスズメダイなどと同属(ルリスズメダイ属)の魚です。この属の魚は青色や黄色が綺麗なものと、幼魚のうちはカラフルでも成魚になると地味な色に変貌してしまうもののふたつに分けられます(学術的な分類ではありません)。ネズスズメダイは残念ながら後者で、幼魚のうちは灰色の体で、鱗が青く縁どられ頭部にも青い線がはいり綺麗なのですが成長すると灰色一色になってしまいます。

近縁のスズメダイ

幼魚がカラフルで成魚が地味になるタイプのルリスズメダイ属魚類は他にも何種類か知られています。

イチモンスズメダイ

イチモンスズメダイの幼魚

▲イチモンスズメダイの幼魚

▲イチモンスズメダイの成魚

幼魚が美しいけど成魚は地味というスズメダイの代表的な種と言えます。黄色い体と青いライン、そして背鰭や体の背部がオレンジ色というカラフルな色彩ですが、成魚は地味な灰色になってしまいます。成魚は奄美諸島以南でよく見られます。幼魚は千葉県以南の磯で見ることができますが越冬は確認できません。四国の海でも幼魚はよく見るものの、成魚は全くみられませんでした。丈夫で飼育はしやすいのですが、幼魚は他の魚にいじめられるおそれがあるので注意が必要です。

ミヤコキセンスズメダイ

ミヤコキセンスズメダイは幼魚はイチモンスズメダイによく似ており大変美しい種類ですが、同定はなかなか難しいです。成魚は黒い体に白い横帯が2本あり、ほかのスズメダイとの区別は容易です。千葉県以南の太平洋岸に分布しているようですがイチモンスズメダイよりは南方性のようで、数もあまり多くありません。奄美諸島には何度か行きましたが、イチモンスズメダイにはよく出会えたもののミヤコキセンスズメダイには出会えていません。

スジブチスズメダイ

スジブチスズメダイ

▲スジブチスズメダイ

関東の磯では出会えませんが、奄美諸島まで行くとよく出会えるスズメダイの仲間です。体側に黄色い横帯があり、メジナ科のオキナメジナの幼魚と間違えられることもありますが、水槽に入れて観察すればスズメダイの仲間であることがわかります。幼魚も成魚とほとんど同じ色彩です。藻類を中心に捕食していますが、甲殻類なども食う雑食性の魚です。

シェイラダムゼルフィッシュ

アラビア海、オマーンに分布するスズメダイで、1994年に新種記載された比較的新しい魚種です。比「Fishbase」では黒い成魚と成魚になりかけの個体の写真しか掲載されていませんが、幼魚は鮮やかな黄色で背鰭から体側にかけて大きな二つのスポットがあるのが特徴です。成魚は暗色で背鰭や臀鰭、尾鰭の基部に小さな斑点があります。

全長10.3cmに達します。業者がほとんどいない海域の産ですので、日本に入ってくることはないと思われますが、かなり気が強そうですので飼育しても最期まで飼いきることは一般のアクアリストには難しいかもしれません。

ネズスズメダイ飼育に適した環境

水槽

幼魚は小型水槽での飼育もできますが、成長することを考えれば45cm以上の水槽で飼育することをおすすめします。またほかの魚と混泳させるのであれば90cm以上の大きめの水槽で飼育したいものです。狭い水槽だと縄張りがつくりにくくほかの魚を殺してしまうおそれもあります。

水質とろ過システム

たいへん丈夫な魚ですが、ろ過が中途半端ではいけません。外掛けろ過槽で飼育できないことはないのですが、ろ材を入れられるスペースが小さいため、ほかのろ過槽と併用しましょう。外掛けろ過槽を使うのであれば外部ろ過槽との併用がおすすめです。魚の数を抑えられるのであればベルリンシステムなどでの飼育も問題ありません。

水温

水温30℃くらいの環境にも耐える強い魚ではありますが、できるだけ25℃をキープしましょう。もちろん、一日に大きな水温の変動があるようではいくら丈夫なネズスズメダイであっても病気になってしまうおそれがあります。ヒーターとクーラーを使用し周年同じ温度に保つようにしましょう。

ネズスズメダイに適した餌

▲植物質の餌をメインに与える

海の中では岩に付着した藻類を中心に食べています。しかしオキアミを餌にして釣れるので、藻類を中心とした雑食性といえるでしょう。餌には植物質の餌をメインに与えるのがベストといえます。キョーリンから販売されている「メガバイトグリーン」や、この餌をベースとした「海藻70」などをメインに与えるとよいでしょう。

ネズスズメダイの入手方法

▲磯で採集したネズスズメダイの稚魚(中央)

観賞魚店で販売されていることはほとんどなく、欲しい場合は自分で採集してくるに限ります。磯の浅いところに多く見られ、タイドプールにも生息しており見つけたら採集するのはそれほど難しいわけではありません。ただし動きはネズミのようにすばしっこく、なかなか網に入ってはくれません。ふたつ網を用意し、片方の網でもう片方の網の中に追い込むとうまくいきます。

奄美諸島や沖縄では、サンゴ礁域周辺の礁湖で成魚に近いサイズの個体も採集することができます。大きな岩の下に隠れていることも多く、岩を持ち上げたところに網を構えると出てくることがあります。もちろん、動かした岩はもとに戻しておくようにしましょう。

ほかの生き物との関係

ほかの魚との混泳

▲60cm水槽で単独飼育している例。性格は大変強い

かなり性格がきついので、同種同士はもちろん、ほかの小型魚との混泳は避けた方が無難といえます。混泳するのであれば自分よりもかなり大きなヤッコやハギなどが適していますが、これらの魚はかなり大きな水槽ででないと飼育できません。なお、同種同士は激しく争うのでなるべく一緒にしないほうがよいでしょう。

逆にモンガラカワハギやハタ、カサゴ、ウツボといった魚には捕食されてしまうおそれがありますので、混泳相手はよく考えて決めなければなりません。もちろんほかの魚に悪さをしたからといって、海へ逃がすことは厳禁です。

サンゴ・無脊椎動物との相性

ネズスズメダイとスベスベサンゴヤドカリ

▲ネズスズメダイとスベスベサンゴヤドカリ

弱い魚は追い払ってしまいますがサンゴには悪さをしないので、サンゴ水槽での飼育は問題ありません。生息環境を考えるとLPSよりは浅場ミドリイシやソフトコーラル中心の水槽が似合うでしょう。

甲殻類は小さいエビは捕食してしまうことがあります。スカンクシュリンプやホワイトソックス、サンゴヤドカリといった種は問題ありません。逆にイセエビや大型のヤドカリには捕食されてしまうおそれもあり注意が必要です。クリーナーシュリンプはオトヒメエビに要注意です。オトヒメエビの大きなものはかなり気が強く、動きが鈍い小魚を襲ってしまうこともあるからです。

ネズスズメダイの飼育まとめ

  • 幼魚は灰色の体に青い模様が入りカラフル
  • 成長すると灰色になり、性格もかなりきつくなる
  • そのため持って帰るべきかよく考える必要がある
  • 飼育できなくても野外に逃がしてはいけない
  • 水槽は45cm以上。混泳するなら最低でも90cm以上
  • 餌はよく食べ飼育自体は容易
  • 混泳はしにくいがサンゴとの相性はよい
  • クリーナーシュリンプやサンゴヤドカリとの飼育は可

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